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白内障手術のタイミングはどこで判断すべきなのか?

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(写真はイメージ)(C)日刊ゲンダイ

 眼科で白内障と診断されました。「手術でよく見えるようになる」と聞きましたが、どのタイミングで受ければいいでしょうか? (50代・男性)

 白内障は、タンパク質の変性で目の水晶体が白く濁り、視力が低下する病気。ほとんどは加齢によるもので、だれもが共有する老化現象といっていいでしょう。早ければ40~50代で手術をする人もいます。

 片目で見ても物が2つに見える。遠くにある光がいくつか重なって見える。目に見えるすべてに薄い霧がかかっている。これらが白内障の特徴です。また、白内障になると眼鏡をかけて計測する矯正視力がだんだんと下がっていきます。

 私は患者さんに、矯正視力が0・6まで下がった段階で「そろそろ手術をしますか」とお話しするようにしています。白内障の手術は、緑内障を合併しているなどの特殊な例でない限り、手遅れにはなりません。それでも目安として、75歳までには手術をしておきたいと考えています。

 白内障の手術は本来、局部麻酔で15分程度で終わるもの。しかし、認知症などの症状が出た場合は、局部麻酔だと患者さんが怖がり暴れる恐れがあるため、全身麻酔で行うこともあります。

 全身麻酔は必ず入院となります。やはり自分で病院まで行き、術後は自分で帰られる程度の健康状態のうちに行うのがベスト。ご家族に迎えにきてもらってもいいのですが、要は白内障の手術はそれぐらいの体力、気力があるうちに行いましょう、ということです。

 すぐに手術をしない場合は、白内障の進行を遅らせる点眼薬を使用しながら、定期的にかかりつけ医で視力の検査を受けてください。手術をするベストのタイミングを計れます。

 なお、白内障の手術をしても老眼は治りません。術後に眼鏡を新しく作り直す場合は、視力が安定した1カ月後を目安としましょう。

(清澤眼科医院・清澤源弘院長)

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