富士山でも続出 高山病になる「4つの共通点」を医師が解説

シルバーウイークには800人もの登山者が槍ケ岳に(齋藤医師提供 左の建物が診療所)

 東京慈恵医大槍ケ岳山岳診療所は、日本一高所にある大学の診療施設。診療所管理者の齋藤三郎医師(分子免疫学研究部教授)に、夏山を安全に楽しむために知っておくべきことを聞いた。

 7月14日から9月17日まで開く同診療所は標高約3000メートルに位置し、“雲の上の診療所”の異名を持つ。

「昨年、診療所を受診したのは164人。半数以上は高山病です」(齋藤医師=以下同)

 高山病とは、平地よりも酸素が少ないところで低酸素状態になり、さまざまな症状を引き起こす病気だ。主な症状は頭痛、吐き気・嘔吐、食欲低下、全身倦怠感、立ちくらみなど。進行すると、高所肺水腫や高所脳浮腫など命にかかわる重篤な状態に陥ることもある。

 齋藤医師は山岳部に属した学生時代から槍ケ岳山岳診療所に通い、管理者を務めるようになってからも15年。長い経験と調査から「高山病になる共通点」を挙げる。

1 / 4 ページ

関連記事