スーパーのレジで会計を済ませ、かごにあるお豆腐を備えつけのビニール袋に入れようとしたら、袋の口が開かない。いくら手でこすっても、手が乾燥していて開けられない――。男女ともにこの季節のあるあるではないでしょうか。若い頃は手の水分が十分にあり、ビニール袋の口を開けることに苦労したことなんてなかった私ですが、今はもう必死にならないと開けられません。
乾燥しているのは、手のひらだけではありません。友人のSさんは、ストッキングを脱ぐ時に足のスネから白い皮膚の乾燥粉がパラパラと出るのが悩みで、そっと脱ぐように心掛けていると言います。
先日、同い年の女性カメラマンと仕事をした時は、彼女は私に「最近、この季節は手のささくれがひどいの」と、今にも血が出てきそうに、けば立ったささくれを見せてくれました。
ズボンのウエスト辺りも衣類の摩擦と乾燥でかゆい。下着が当たる背中を、気が付くとボリボリとかいているのに気がつくことも……。
女性ホルモンのエストロゲンが肌の水分や弾力を豊かにする役割があるため、閉経でエストロゲンが減少すると体全体が乾燥傾向になります。若い頃はボディーの乾燥が気にならなかった方も、年齢とともに乾燥が進むのは自然なことなのです。
また、冬から春にかけて空気が乾燥します。昨年12月の平均湿度は、8月と比較すると16%も低い。さらに室内で暖房をつけると、ますます空気が乾燥します。食器洗いなどの水仕事でお湯を使うと、手の表面を覆う脂分と水分がどんどん失われていきます。
子どもの頃、自分の祖父母に顔をなでられると彼らの手がガサガサでイヤだったのですが、改めて自分の手を見ると立派な予備群。男性は女性ほど乾燥はしませんが、ケアの習慣がないので、この季節はガサガサ度が増します。水仕事ではゴム手袋を使う習慣をつけ、毎日数回はハンドクリームで指先、爪の周り、手の甲からひらまでしっかり塗る。お風呂上がりはしっかりボディークリームで保湿ケアするなどが大切。違いは一目瞭然です。
更年期を知って夫婦円満