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米CDCが指針 インフル症状がある人には新型コロナ検査も

インフルエンザの予防接種を受けるために申込用紙に記入する男性(米・ボストン)
インフルエンザの予防接種を受けるために申込用紙に記入する男性(米・ボストン)/(C)ロイター

 世界的に感染が広がる新型コロナウイルス。アメリカ国内で確認された感染者は15人(2月17日現在)にとどまっていますが、一層の対策を推進するために、CDC(米疾病対策センター)ではインフルエンザとみられる症状の患者に対し、新型コロナウイルスの検査も行うという指針を発表しました。

 実はアメリカでは今、新型コロナウイルス以上に深刻なのはインフルエンザで、患者の数は過去最悪のペースで増え続けています。

 今シーズンの患者数はこれまでに低く見積もっても2600万人に達し、そのうち最低でも25万人が入院、1万4000人が亡くなったと推定されています(2月8日現在)。12月のこのコラムでは、インフルエンザの流行が例年になく早いとお伝えしましたが、どうやら2019年から20年にかけての今シーズンは、4500万人の患者を出した2年前と同様、過去10年で最悪の年になるかもしれないとCDCは警告しています。

 また、これもお伝えした通り、特に子供たちへの感染が早い時期に広がっていて、これまでに亡くなった子供は92人。その死亡率、入院率ともに過去10年間で最悪となっています。

 昨シーズンは過去10年で最も流行期が長いシーズンでした。同様に今シーズンも流行が長引けば、さらに多くの患者が発生する恐れもあります。 そして、これらに加え新たに発生している問題は、新型コロナウイルスによる症状がインフルエンザに似ていて区別がつきにくいことです。そこでCDCではインフルエンザが疑われる患者に対し、積極的に新型コロナウイルスの検査を行っていくことを指針として発表。まずはロサンゼルス、ニューヨークといった大都市周辺からスタートし、徐々に広げていくとしています。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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