毎日大さじ1杯!腸活みそ料理

きのこのみそスープ 疲労回復効果、動脈硬化や心筋梗塞予防に最適

しめじの栄養価はすごい!
しめじの栄養価はすごい!(提供写真)

 東日本大震災から丸9年。当時、東京に住んでいた私は、体験したことのない強い揺れ、刻々と伝えられる津波や原発事故の被害の甚大さに言葉を失いました。

「人間、いつ死ぬかわからない。悔いのないように生きよう」

 そう実感しました。目指したのが料理人の道です。医学生時代から医師になるか、シェフになるか迷うほど私は料理好きでした。もちろん、医師をやめるわけではありません。

「食べもので健康な心と体をつくるドクター&シェフ」として予防医学の道を目指したのです。そして、栄養学をベースとしたニューヨークの料理学校の存在を知り留学しました。そこで、玄米や、全粒粉の小麦を主食とし、野菜、豆、海藻などを副食とするマクロビオティック、インド大陸発祥の医学であるアーユルヴェーダ、動物を摂取しないビーガニズム、さらにそれらに基づいた調理法を学びました。

 そして、みそに出合ったのです。学校には赤みそ、白みそ、ひよこ豆のみそが常備してあり、さまざまなレシピにコク出しとして使用していました。また、あるワークショップでみそ造りを体験しました。あらためて、みその材料と作り方のシンプルさに驚かされました。以前から発酵食品やみその素晴らしさも知っていましたが、その本場日本で生まれ育った私が、異国の地で、みその魅力を再認識させられたわけです。

 栄養療法にもみそは最適の食品です。人間の生命活動に欠かせない必須アミノ酸やビタミン、ミネラルなどの栄養素が豊富で、さらに健康生活のカギを握る腸内環境を整える善玉菌や食物繊維も含まれています。

 さらに発酵・熟成という過程を経ることで、メラノイジンなどの抗酸化物質も産生されます。多くの現代人は慢性的なミネラル、ビタミン不足、ストレスなどで消化力が落ちています。みそはそんな現代人にとって、まさに「食べるサプリメント」といってもいいほどのスーパーフードなのです。

 今回は「きのこのスープ」。しめじなどのきのこ類は、現在ではいつでも手軽に手に入ります。味も食感も楽しめる食材です。

 低カロリーのうえ、コレステロールの上昇を抑える食物繊維、また疲労回復に効果のあるリジン、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病を予防するグアニル酸も豊富です。

 中高年男性にとっての必須食材ともいえそうです。

料理学校の仲間たちと(右から4人目)/
料理学校の仲間たちと(右から4人目)/(提供写真)

 <材料>(2人分)
・しめじ 1パック
・玉ねぎ 2分の1個
・豆乳 100ミリリットル
・水 200ミリリットル
・みそ 大さじ1(15グラム)
・オリーブオイル 大さじ1

<作り方>
(1)鍋にオリーブオイルを入れ、薄くスライスした玉ねぎをしんなりするまで炒める。
(2)石づきを切り取ったしめじを①に加えて軽く炒めたら、水を加えてひと煮立ちさせる。
(3)ミキサーに②とみそを入れて滑らかになるまで混ぜる。
(4)鍋に③を戻して、豆乳を加えて沸騰しないよう軽く温めて出来上がり。

関由佳

関由佳

専門は内科、予防医学。2013年ニューヨークの料理専門学校(Natural Gourmet Institute)で資格取得。著書に「毎日食べたい!腸活みそレシピ」ほか

関連記事