セックスが痛い

克服だけがすべてじゃない。痛みと上手に付き合っていく

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 セックスのときに痛みがあって悩むとき、「病院に行って治療するか」「このまま我慢して過ごすか」、または「セックスをするのをやめてしまうか」のいずれかになりがちです。でも私が提案したいのは、痛みと上手に付き合っていくこと。

 セックスの痛みの原因はさまざまです。精神的なもの、手術や薬が必要なものなどは専門家による治療で解決するかもしれません。しかし、これら以外の原因で痛む場合は「痛みを克服する」というより、痛みと付き合っていく方がマッチしているように思います。

 女性ホルモン分泌の低下による膣の潤い不足や萎縮などは、さほど状態が進行していなければ、必要なときに外から潤いを補充すればよいのです。パートナーのゆっくりした挿入やタッチも効果が見込めます。

 手術などで膣が短縮化した場合は浅い挿入で乗り切ることも可能です。

 以前、このコラムで紹介しましたが、深く挿入できないように男性器に装着するストッパーツールもあります。そういったツールを活用すれば、自然と深い挿入を避けられます。

 絶対にオススメできない重要なことがひとつ。それは痛いのに我慢してセックスをすることです。もし膝が痛ければ無理に走ろうとせず、負担が少ないよう調節しながら自分のペースで歩くでしょう。セックスの痛みも同じです。無理にやり続けるのは精神的にも肉体的にもよくありません。

 私は性格上、病気や痛みは克服したいと、つい望んでしまいます。でも周りを見渡せば、完治できない持病を抱えて生活している人がいることに気が付きました。

 性交時の痛みも体の変化で起きていること。

 もし婦人科の検査で特に問題がなければ、自分なりのペースでパートナーと一緒に工夫しながら、“あまり痛くない”セックスで楽しみを共有できるのではないでしょうか。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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