セックスが痛い

「今日は断りたい」という時は2人だけが分かるNOの合図で

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 最近、性被害のニュースなどで「性的同意」という言葉を耳にします。性的同意とは、スキンシップを望んでいると行動前に相手に伝え、同意をもらうこと。

 長年連れ添った夫婦の場合、今さら同意なんてと思うかもしれませんが、そんな堅苦しいものではありません。たとえば「コーヒーを入れるけど飲む?」と聞かれた時に、飲みたい時は「飲もうかな」と伝えるし、そんな気分でなければ「いらない」と断りますよね。でも、セックスになると、「誘われると断りづらい」といったことがよくあるようです。また、男性がリードするものと思っている人が男女ともに多いですが、本来はスキンシップを望む方が取るものですよね。

「中高年のための性生活の知恵」という本に紹介されていたデータによると、「気乗りしないのにセックスに応じる」人は男性で3割、女性で8割。男女とも多い理由に、「相手が喜ぶから」「夫/妻の役割だから」があります。「気乗りしないのにムードを壊したくない」「断ると相手が不機嫌になる」から応じてしまう“仕方なくYES”といったケースが往々にしてあるようです。

 夫婦間であれ、断られれば傷つくし、悲しい。それなりに勇気を出して雰囲気づくりをしていたりもする。断る方も相手に申し訳ない罪悪感がある……。性教育インフルエンサーたちが紹介していたのが、2人だけが分かるNOの代わりになる言葉を決めておくこと。ある海外ドラマでは「フラミンゴ!」がNOの合図として登場していました。好きな動物や食べ物など、2人だけの秘密の言葉を決めておくとシンプルに伝えやすいし受け入れられそうですね。

 同意は、セックスの最中も必要です。ここに触れていい? 力加減は大丈夫? 手探りで行うセックスより、お互い満足度が高くなるでしょう。それと同時に嫌なことはやめる。性機能が低下する年齢では、女性なら性交痛、男性なら中折れなど、男女ともに中断の希望が出てくることは珍しくありません。

 気軽に「また今度」と声をかければ、次の楽しみにつながります。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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