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40歳以上は誰でも発生…気づきにくい秋冬加齢臭の対策法

冬も暖房で汗をかく
冬も暖房で汗をかく(C)PIXTA

 加齢臭対策。汗をかく夏場は気を付けていても、気温が下がる秋冬にはついケアを怠ってしまう人もいるのではないだろうか。

 都内の会社に勤務する20代女性は「冬は暖房のせいで、社内にいると汗ばむことも。そのせいか、同じ部署の50代男性上司からは、いつもムワっと蒸れたような匂いが漂ってきて……。加齢臭だから仕方ないのかもしれませんが、できればなにか対策をしてほしい」と困り顔だ。

「加齢臭は、男女問わず40歳を超えるとだれでも発生する可能性があります」と言うのは、国際医療福祉大学熱海病院検査部・〆谷直人部長。

 皮膚には常在菌が存在する。これらの菌が、体から出る皮脂の一種を分解することで発せられるのが加齢臭だ。

「臭いの原因となる物質は“ノネナール”です。ノネナールは、年齢を重ねると分泌が増える脂肪酸が酸化したり分解されることで発生します。だから、40歳以上で加齢臭の人が増えるのです」(〆谷部長=以下同)

 加齢臭の最も簡単な対策は、薬用石鹸やボディソープなどで菌の増殖を防ぐこと。加齢臭をごまかすために香りの強いボディーソープを選ぶ人がいるが、ソープ類の香料が汗や体臭と混ざった場合はさらに不快な臭いになってしまう可能性が大。加齢臭や体臭対策には、無臭や微香性のボディーソープをチョイスするのが良い。

 日本人は体臭が少ないとされているが、「近年では食生活の欧米化(動物性脂肪摂取の増加)により、加齢臭が発生しやすい状況になっていると考えられています。また、アルコールから生成されたアルデヒドもノネナールの原料となります。そのため、多量の飲酒は加齢臭を強める原因に。動物性脂肪食品やアルコールの摂取を控えると、加齢臭を抑制できます」

 体臭は自覚しにくく、周りの人も面と向かって本人に言いづらいデリケートな問題。

「特に加齢臭は自分では気付きにくい。ずっと同じ臭いを嗅いでいると感覚が麻痺して分からなくなってしまうからです。嗅覚は順応しやすく、同じ臭いを感じ続けられないため、人は自分の臭いが分かりません。強い臭いを発するワキガでさえ、本人は無自覚であることが多いのはこのためです」(〆谷部長)

 臭いは、時に人間関係に大きな影響を与えてしまう。きちんとケアしている人は、世代を問わず清潔感があって好印象だ。目に見えないものだからこそ、きちんと臭いケアをするのが大人のマナー。冬場も忘れずになんらかの対策を行いたい。

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