コロナ禍の"寝正月”睡眠リズムを崩さず早く取り戻す3つのコツ

 コロナ禍で迎える今年の正月休みは、自宅にこもって“寝正月”なんて人も多いだろう。ただ、深夜まで起きていて昼すぎまで寝ている……なんてパターンを休みの間ずっと続けていると、睡眠のリズムが崩れて休み明けに不調を招いてしまう。睡眠リズムを大きく崩さず早めに取り戻す方法を東京疲労・睡眠クリニック院長の梶本修身氏に聞いた。

 休み中も普段と同じ時間に起床すれば問題ないが、せっかくの休みだから寝坊したい。そんな人でも、睡眠リズムを大幅に崩さないコツがある。

「睡眠のリズムは1時間ずれると元に戻すには1日かかるとされています。ですから、正月休み中でも、普段の起床時間から3時間以内に起きるように心がけましょう。その上で、仕事が始まる3日前くらいから起床時間を1時間ずつ早めていけば、スムーズに普段の睡眠リズムに戻せます」 休み中にいつもより遅く起きる場合でも、起床したらすぐにカーテンを開け、日の光を浴びることが重要だ。

「睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは、神経伝達物質のセロトニンをもとに作られます。日の光を浴びるとセロトニンの分泌が始まり、脳と体を覚醒させます。朝に光を浴びてセロトニンをしっかり作っておくことで、夜にはセロトニンからメラトニンが合成され、自然な眠りへ誘います」

■朝食でリズムのズレを調整

 また、良質な睡眠を取るためには、自律神経の日内リズムとバランスを整えることが欠かせない。昼間は活動時に活発になる交感神経を優位にして、夜にはリラックス時に活発になる副交感神経を優位にする必要がある。日の光は、自律神経の日内リズムをつくったり、調整するための基準になっている。目覚めたらまず日の光を浴びる習慣を身に付けておきたい。

 起床したら朝食を取ることも睡眠リズムの調整にとって大切だ。

 われわれは、食事と食事の間=絶食している時間が最も長かった後の食事をきっかけに生体リズムをスタートさせる仕組みが備わっている。ほとんどの場合、夕食と朝食の間が最も長い絶食時間だから、朝食を取った時点から自然と活動的になっていく。朝食で生体リズムのずれを調整しているのだ。

「朝食は自律神経を目覚めさせる重要なスイッチです。朝にしっかりスイッチを入れることで、その日一日の生体リズムがうまくつくられ、睡眠リズムも整ってきます。起床してから1時間以内に取るのが理想的です」

 睡眠リズムを整えてすっきりした休み明けを迎えたい。

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