コロナ第3波に備える最新知識

変異種が上陸 会食は極力自粛というが…誰とどこで食べるか

周りに遮蔽物がある席を選ぶ
周りに遮蔽物がある席を選ぶ(C)日刊ゲンダイ

 英国などで感染拡大している新型コロナウイルスの変異種の国内初の感染者が5人確認された(25日現在)。いずれも英国からの帰国者で10歳未満の子供も含まれている。この変異種は従来種よりもより強力に細胞に結合するため感染力が1・7倍も強いとされ、比較的感染しづらいとされていた子供の感染が懸念されているから心配だ。

 東京では既に新規感染者数が急増していて1カ月後には25日の1日884人から1カ月後には1200人超に拡大するとの見方も出ている。政府は「静かな年末年始」を呼びかけ、感染リスクがとくに高いとする、飲食を伴う会合は自粛するよう国民に要請している。とはいえ、年末年始に誰とも会食しないというわけにはいかない人もいるだろう。どうすればいいのか? 東邦大学医学部名誉教授で循環器疾患が専門の東丸貴信医師に聞いた。

「基本的に同居家族以外の飲食は慎みましょう。家族でも非同居の場合は当面遠慮した方がいいでしょう。家族以外では、行動範囲が把握できていて、リスクが少ないと考えられる相手とのみ4人以下で会食すること。クラスターが5人以上で出ている傾向にあるからです。職場では同じ部署で行動パターンがよく分かっている場合はいいですが、今は職場が同じでも内勤の人と外勤の人が同じ食卓につくのはできるだけ避けた方がよいでしょう」

 会食でもマスク着用が原則。フェースシールドは不可。乾燥している冬は元気なウイルスが多く空中を漂っているからだ。店は焼き肉店レベルの個室が望ましい。カウンターやテーブル席はアクリル板などの遮蔽物があって、対面も遮蔽している店を選ぶ。会食時のグループ間隔は1・5メートル以上あること。5分に1回部屋の空気が入れ替わる完全換気が望ましい。むろん、お互いの箸をつつきあう料理は避けて取り分けられた料理にして、大声で話すのは慎むのは言うまでもない。

 逆にリスクが高いのは、5人以上で、普段は行動が異なる4グループ以上が集まった場合。3グループ以下で4人以下の会食でも各グループの活動範囲が広い場合はリスクがある。

「同居家族でも高齢者や持病のある人と孫や子供が同居している場合は食事時間をずらし、会話は感染予防を意識して食後に行いましょう」

 大げさだと思うかもしれない。しかし、これでも欧米基準では甘い措置だ。感染拡大が続くドイツでは同居家族以外の接触は必要最低限とし、集会は2家族10人以下に制限されている。春のロックダウン時には、公共の場で他人同士と3人以上で歩くことは許されず、飲食店はすべて営業禁止、飲食店の50メートル以内の飲食も禁止。パーティーは室内外に限らず禁止で、違反すると罰金が科せられた。それだけやってもなお、感染拡大が抑えられないのが新型コロナだ。

 日本人は「新型コロナに強い」と思われてきたが、今は欧米を除く先進国ではトップレベルの新規感染者数で、死亡率も特別に低いわけではなく、重症者数も急増中。感染者数と死亡率では東アジアにおいて最も高いのが現状だ。今こそ「正しく恐れる」時だ。

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