人が集まる場所に行く前に漢方で対策 薬剤師のおすすめは

板藍根(ばんらんこん)はエキス剤で売られている
板藍根(ばんらんこん)はエキス剤で売られている(C)日刊ゲンダイ

 東京・大塚の「氣生薬局」は、漢方歴26年の薬剤師、久保田佳代さんが運営する漢方薬局だ。

「新型コロナウイルス以降、『うつ状態で悩んでいる、漢方でなんとかできないか』という方からの相談が増えました」(久保田さん=以下同)

 ある時は、「死んでしまうかもしれない」と中年男性から切羽詰まった電話がかかってきた。聞くと、眠れず、動悸がひどい。隣にいる人がコロナなんじゃないか、自分が知らないうちに感染していて家族や同僚にうつしてしまうのではないか、常に不安で仕方がないと訴える。薬局へ来てもらい、漢方薬を処方したところ、1週間後には「ぐっすり眠れるようになり体調も良くなった。あの時なぜあんなに悲観的だったのか分からない」との報告があった。

「漢方薬には『気』を調えて抗ストレスに働くとともに、自身の持つ本来の免疫力を取り戻し、さらに向上させる作用があります。コロナの先行きが見えない不安やストレスは、免疫力を低下させます。不安を抱えている人はぜひ試して欲しい」

 久保田さんがおすすめするのは、補中益気湯や半夏厚朴湯。前出の男性も飲んだ漢方だ。

「補中益気湯は免疫を上げながら気を調えます。半夏厚朴湯も気を調える漢方で、喉に何か詰まる感じがあるときや、空咳が出るときにもいい」

 予防薬として役立つのが「板藍根」。藍染めの染料としても知られる。

「天然の抗生物質や抗ウイルス薬とも呼ばれ、体の免疫を高め、感染症の予防にも役立ちます。中国では多くの家庭で常備薬として置かれています。私は人が集まる場所に出掛ける時は、飲んでから出掛けます」

 漢方を扱う薬局に行けばいずれも手に入る。薬剤師に相談してみてはいかが?

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