セックスが痛い

幸せホルモンはスキンシップやセックスでたっぷり分泌される

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「オキシトシンは幸せホルモン。最高!」

 女性の健康関連の学会やセミナーに行くと、婦人科医師や助産師の登壇者がオキシトシンを絶賛します。産後の女性にしか分泌されないホルモンだと思われがちですが、実は男女ともに肌の触れ合いでも分泌されるというではありませんか。

 オキシトシンは脳の下垂体から分泌される伝達物質で、「愛情ホルモン」「幸せホルモン」とも呼ばれています。分泌されると男女ともに幸福感で満たされるのが「最高!」といわれる由来です。親が子供をなでて両者が安らいで愛情を感じるように、カップル同士もなで合えば癒やされ、いとおしさがふわっと湧いてくる。だれもが経験あるでしょう。

 オキシトシンはスキンシップ以外だとセックスでも分泌されるそう。私が運営する性交痛サイト「FuanFree/ふあんふりー」には60代男性から、こんなメールが届きました。それは妻の子宮摘出手術をきっかけに、挿入にこだわらない、スキンシップ重視のセックスに転換し、より深い快感を得られるようになったという内容で、触れ合いの重要性に納得しました。性交痛の防止策として私はよく「前戯をしっかり長めにとって」とアドバイスします。もしかしたら、前戯で大いに触れ合うことで、両者ともに幸せホルモンが分泌され、良い効果につながっているのかもしれませんね。

 今年は、挿入・射精重視のセックスから、じっくり触れ合うスタイルへシフトし、オキシトシンの分泌を大いに促してください。お互いに、どこに触れられるのが好みか、何をされると気持ちがいいかを伝え合っておくとハズレのないタッチングができ、幸せホルモンを分泌する近道になるかもしれません。何が不快かを伝え合っておくと、お互いの不快なことが避けられます。

 男性側の挿入が困難、あるいは女性側が痛くて受け入れが厳しいといった時は、気持ちがいいところに触れるだけでも快感は得られます。性的な快感と、触れ合う幸福感のダブル効果で、この上ない満足感を味わえるはず。ぜひ、試してみてください。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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