新型コロナワクチン副反応データ分析

モデルナ社製3回目接種後の副反応はどうなる? 43人の現職自衛官調査から見えたこと

モデルナ社のワクチン接種部位の様子
モデルナ社のワクチン接種部位の様子(C)日刊ゲンダイ

 ファイザー社製に比べて副反応がやや強いといわれるモデルナ社製ワクチン。今後、より多くの人が利用することが予想されるが、日本のデータではその副反応はどう分析されているのか? 

 ヒントになるのが医療関係者と自衛隊員を対象に、モデルナ社製ワクチン接種後の症状の頻度を調べた「新型コロナワクチンの投与開始初期の重点的調査(コホート調査)」の「健康観察日誌集計の中間報告(15)」だ。

 観察対象者は1万3220人。95.5%が男性で、年齢分布は20~29歳(19.8%)、30~39歳(30.6%)、40~49歳(35.0%)、50~59歳(14.4%)、60~65歳(0.2%)。

 職種は95.8%が事務職以外の自衛隊員、4.1%は事務職、残りは医師や看護師など。

 治療中の疾患は高血圧(5.0%)、脂質異常症(3.5%)、糖尿病(1.3%)、気管支ぜんそく(0.7%)、アトピー性皮膚炎(1.7%)など。既往歴は気管支ぜんそく(4.3%)、悪性腫瘍(0.4%)、新型コロナ(0.4%)、いずれもなし(94.9%)であった。

 ちなみに2回目の観察対象者は1万2535人だった。

 その結果はどうか?

 37.5度以上の発熱は1回目接種では接種後2日目が最も多く、人数は通期で10%に満たなかった。

 2回目接種では接種当日に10%、2日目75%近く、接種3日目で20%程度の人に見られ、通期では80%近くに上った。

 接種部位の有害事象として「発赤」「腫脹」「硬結」「熱感」「疲れ」を調べたところ、いずれも1回目接種後より2回目接種後が多く、接種後2~3日目が目立った。

「疼痛」は1回目、2回目と大きく変わらなかったが、初日と3日目は60%以上、2日目は80%以上の人が痛みを感じた。

 全身反応は1回目より2回目が圧倒的に多く、倦怠感は軽度から高度を含めると2日目で80%近く、3日目で40%超、接種当日で30%の人が感じていた。頭痛は2日目で60%、3日目でも30%超に見られた。鼻水については2日目で10%近くの人にあったとしている。

 ちなみに接種1週間以内の年代別発熱、疼痛、全身倦怠感は、2回目ではほぼ全世代で70%以上に症状が見られた。とくに疼痛は全体で80%以上と目立って多く、年配者ほど高い傾向にあった。

 同じく接種後1週間以内での頭痛は全体で60%以上で見られ、若い世代ほど多かった。

■2回目を下回る?

 では、3回目接種での副反応はどうなるのか? 

 中間報告では新型コロナに感染した後にモデルナ社製ワクチンを2回接種した自衛隊員43人(男性42人、女性1人)を、“3回接種”したものとして接種後の症状を分析している。

 それによると、1回目接種後と2回目接種後の割合はそれぞれ発熱で48.8%、72.7%、倦怠感で67.4%、75%、頭痛で23.3%、40.9%だった。

 ちなみに、発熱は1回目接種後に37.5度以上の熱が出た人の割合は48.8%、2回目接種後は74.4%、1・2回とも37.5度以上の発熱があった人は39.5%に上った。

 一方、感染せずにモデルナ社製ワクチンを2回接種をした自衛隊員1万107人の1回目と2回目の割合はそれぞれ発熱(6.8%、77.0%)、倦怠感(25.5%、80.4%)、頭痛(16.3%、64.2%)だった。

 両者を比べると、感染後2回目の方が発熱、倦怠感、頭痛ともに割合が低かった。このため、3回目接種した場合、2回目の接種後と同程度か、下回る可能性が高いとしているが、果たしてどうか。

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