頭痛は頭部に感じる痛みの総称で、後頭部と首の境界、目の奥の痛みなども含まれます。非常に多くの方が経験している症状です。
原因が特定できないものを「一次性頭痛」。緊張型頭痛、片頭痛、群発性頭痛などが該当します。脳血管障害など原因疾患が特定できるものは「二次性頭痛」といいます。
頭痛を訴える人の多くは一次性頭痛が多いかと思われますが、東洋医学で頭痛の主な治療対象となるのは、この一次性頭痛です。
「緊張型頭痛」では、頭痛に伴う症状を考慮し処方されます。肩こりで後頚部の痛みがあれば「葛根湯」や「大柴胡湯」。めまいなら「苓桂朮甘湯」や「半夏白朮天麻湯」。
また高血圧症ならば「黄連解毒湯」や「三黄瀉心湯」など。さらに冷え性なら「五積散」「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」などです。
片頭痛の場合、漢方の処方でいえば、前触れとしてむくみが、そして回復期には利尿が表れることから、体の中の水の滞り(水滞)を改善させる生薬「五苓散」や「呉茱萸湯」を用い、月経時に伴う血の滞りを改善させるには「当帰芍薬散」や「桃核承気湯」という生薬がよく用いられます。
東洋医学を正しく知って不調改善
漢方や鍼灸で「頭痛」も治せるのか “一次性”が治療対象
指先を揉むことでも効果あり
一方、鍼灸治療となると、頭痛が起こる部位によって分類し、体にめぐる気・血・水の循環経路である経絡に基づいた施術が行われます。後頭部から項背部にかけて痛む「太陽経頭痛」。前額部から眉間にかけては「陽明経頭痛」。また両側または一側の側頭部の「少陽経頭痛」。頭頂部の「厥陰経頭痛」といった具合です。
この経絡に関していえば指先を揉むことでも効果があり、たとえば「太陽経頭痛」は手足の小指、「陽明経頭痛」は人さし指、「少陽経頭痛」は薬指、「厥陰経頭痛」は手の中指と足の親指がよく効きます。日頃からおうちで揉んでみて気持ちが良い、効きそうな指を刺激することもいいでしょう。