東洋医学を正しく知って不調改善

世界における東洋医学の評価は? 欧米で注目度が高まっている

天野陽介氏(C)日刊ゲンダイ

 日本ではあまり知られていませんが、実はいま欧米では「東洋医学」への注目度が一層高まっています。

 これまでにも「東洋医学」はさまざまな体の不調に対処できる治療法として紹介してきましたが、近年になって西洋医学では手が届かなかった症状への解決策として、世界中で注目を集め始めているわけです。

 中でも先進医療が発達する米国では、鍼治療の導入が盛んです。

 例えば鍼灸治療が、腰痛のガイドラインで紹介されています。

 65歳以上の公的医療保険制度でも鍼治療が正式に採用されています。意外なところでは米軍において、耳に鍼をする「耳鍼」を使って痛みを緩和する治療法を「戦場鍼(バトルフィールド・アキュパンクチャー)」と呼び、戦場における応急処置として研究と導入が進んでいます。

 こうして東洋医学が米国を中心に注目され始めた背景には、いま米国社会で大きな問題となっている「オピオイド(鎮痛薬)」の乱用による薬物中毒問題があります。

1 / 2 ページ

天野陽介

天野陽介

日本医学柔整鍼灸専門学校鍼灸学科専任教員。北里大学東洋医学総合研究所医史学研究部客員研究員も務める。日本伝統鍼灸学会、東亜医学協会、全日本鍼灸学会、日本医史学会、日本東洋医学会所属。

関連記事