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ワクチン接種2.8億回 厚労省の審査部会が認めた健康被害の中身

新型コロナワクチン接種を受ける人たち
新型コロナワクチン接種を受ける人たち(代表撮影)

 日本で新型コロナワクチンの接種が始まって約1年半が過ぎた。6月23日までに、3回目接種を含めて2.8億回接種が行われ、5月15日までで医療機関から厚労省に3万3711件(ファイザー社製2万8767件=重篤6282件、モデルナ社製4928件=同982件、アストラゼネカ16件=同11件)の副反応が報告された。

 健康被害が予防接種によるものであると厚労大臣が認定したときは、予防接種法に基づく救済(医療費・障害年金等の給付)が受けられる。

 6月23日までに厚労省には2815件の進達受理件数があり、そのうち849件を救済認定し、62件を否認、14件を保留としている。

 なお、「疾病・障害認定審査会(感染症・予防接種審査分科会新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査部会)」は2021年9月13日から2022年6月23日までに10回開催。各回の結果を合計すると843件を審議し777件を救済認定。52件を否認、14件を保留した計算になる。

 同審査会で救済認定された案件を男女別でみると、男性141人、女性636人で、女性の認定が圧倒的に多い。

 年代別でみると、20~50代が100人を超えているのに対して、10代が30人台、60代が90人台、70代が30人台、80代が10人台と少なかった。

 ちなみに1回目(開催2021年9月13日)、2回目(2021年10月22日)は審議件数=認定件数だったが、3回目(2021年11月19日)に初めて保留3件となった。

 初の否認は5回目(2022年1月28日)で3件出た。それ以降は6回目(2022年2月24日)13件、7回目(2022年3月25日)14件、8回目(2022年4月28日)15件、9回目(2022年6月2日)4件となっている。

 最も審議件数が多いのは3回目の129件でこの回の認定126件も最多だった。

 救済認定された777件の「疾病名・障害名」の内訳は「アナフィラキシー」385件(49.5%)、「急性アレルギー反応」221件(28.4%)、「アナフィラキシー様症状」104件(13.4%)と91.4%がワクチン接種直後に起きたと考えられる症状で、それ以外は67件(8.6%)に過ぎなかった。

 ただし、9回目、10回目の審議では審議件数が67件、61件と減っているにもかかわらず、それ以外の症状での認定がそれぞれ20件となった。

 1~5回の審議ではそれ以外がゼロで、それ以降も14件、3件、10件だったことからみると、審議の仕方に変化が出てきたのかもしれない。

 その他の症状には「左肩関節周囲炎」「過換気症候群」「血管迷走神経反射」「悪心・頭痛・腕のしびれ」「蕁麻疹」「脱力発作」「多形滲出性紅斑」などがある。

 なお、ワクチン接種後死亡は1700件以上報告されているが、救済認定されていない。

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