東洋医学を正しく知って不調改善

東洋医学からみた「めまい」とはどんな病気なのか 対処法は?

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 めまいとは自分や周囲のものが動いていないのに動いているように感じる異常感覚で、体の平衡感覚を保つ仕組みに異常が起こった状態です。

 ちなみにめまいの種類は、ぐるぐるする(回転性)と、くらっとする(動揺性)、そしてふわふわする(浮動性)の3タイプです。

 東洋医学ではそんなめまいを、頭、目、首と耳のまわりといった各器官に問題が生じて起こるものと考えます。

 まず頭では、目には見えない体内におけるエネルギーである「気」と、頭部に栄養を与える血液などの体液の総称である「血」を合わせた「気血」の不足が原因と考えます。症状としては胃腸症状や睡眠不足で、めまいの種類も浮動性や動揺性または失神性となります。

 その場合のツボ指圧による対処法としては、頭頂部中央の「百会」を両手の中指で3秒を3セットで押すとよいでしょう。

渡邊靖弘氏(提供写真)
渡邊靖弘氏(提供写真)

 次に目ですが、疲れ目など目の機能自体が一時的に落ちることでも、回転性や浮動性または動揺性といったさまざまなめまいを起こすことがあります。

 こちらのツボは目尻の指1つ外側でくぼんだとこにある「太陽」です。同じく3秒を3セットにして、中指で小さな円を描くように押すとよいでしょう。

 最後に首や耳まわりに問題があるケースでは、特に耳の中には内耳という体のバランスをつかさどる器官があり、この辺の血流が悪くなることでもめまいを起こしやすくなります。

 要因としては首肩の凝りや痛み、慢性疲労、そして自律神経の乱れなどがあり、こちらも回転性と浮動性や動揺性といったさまざまなめまいが起きやすくなります。

 こちらのツボは、耳の後ろのとがった骨の後ろ側にある「風池」です。人さし指と中指そして薬指を揃えて、気持ちよい程度に、前後に動かして刺激をするとよいでしょう。

 いずれにしても、日頃から体を冷やさず、気血を滞らせないことを心がけることがめまい防止には大切だといえるでしょう。

渡邊靖弘

渡邊靖弘

日本医学柔整鍼灸専門学校専任教員、日本伝統鍼灸学会理事、和ら会会員、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師。

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