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「BA.5」対応ワクチンの女性2人含む接種後死亡は1909件 厚労省が報告

新型コロナウイルスのオミクロン株派生型「BA・5」に対応するワクチン(C)共同通信社
新型コロナウイルスのオミクロン株派生型「BA・5」に対応するワクチン(C)共同通信社

 厚労省は今月11日、新型コロナワクチンの接種と副反応との関連性を議論する専門部会を開催した。

 同会に提出した資料によると、予防接種開始(2021年2月17日)から22年9月4日までに新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例は1854件(ファイザー社製1667件、モデルナ社製184件、アストラゼネカ社製1件、武田社製ノババックス1件、ファイザー社製5~11歳用1件)。

 その後、9月5日~10月9日に36件(ファイザー社製16件、モデルナ社製は18件、アストラゼネカ社製0件、武田社製ノババックス1件、ファイザー社製5~11歳用1件)の報告があった。さらに10月10~28日に19件(ファイザー社製16件、モデルナ社製は3件、アストラゼネカ社製0件、武田社製ノババックス0件、ファイザー社製5~11歳用0件)が報告された。

 結果、予防接種開始以来20カ月余りの間に、1909件(ファイザー社製1699件、モデルナ社製205件、アストラゼネカ社製1件、武田社製ノババックス2件。ファイザー社製5~11歳2件)の死亡が報告されたことになる。

 専門部会では22年10月9日までに報告された1890件の死亡とワクチン接種との関連について、α=ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの、β=ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの、γ=情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの--と評価している。その結果は以下の通り。

▼ファイザー社製 α=0件、β=10件、γ=1673件
▼モデルナ社製 α=0件、β=1件、γ=201件
▼アストラゼネカ社製 α=0件、β=0件、γ=1件
▼ノババックス α=0件、β=0件、γ=1件
▼ファイザー社製(5歳~11歳用)α=0件、β=0件、γ=2件

 なお、専門部会では先月から接種が始まったオミクロン株の「BA.5」対応のファイザー社製ワクチンで2人の女性が死亡したことが報告された。

 87歳女性は11月1日に4回目接種し、4日午前4時に呼吸停止状態で発見された。1、2回目の副反応はなかったが、3回目接種では低体温が見られ、その後に胆石膵炎を発症していた。糖尿病、パーキンソン病、脳梗塞の後遺障害などの基礎疾患があった。

 42歳の女性は5日午後2時18分ごろに集団接種会場で4回目接種。同25分に咳が出始め救護室へ。28分ごろ顔面蒼白となったという。その後、救急車を要請するも3時58分に搬送先の病院で死亡したという。「BA.5」対応ワクチンは8日までに286万5575人が接種していると推計されている。

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