落語家・笑福亭笑瓶さん死去「急性大動脈解離」は致死率が高い…専門医が解説

笑福亭笑瓶さん
笑福亭笑瓶さん(C)日刊ゲンダイ

 落語家の笑福亭笑瓶(本名・渡士洋)さんが22日午前、急性大動脈解離のため死去した。66歳だった。

 べっ甲メガネがトレードマークだった笑瓶さんはバラエティー番組などで活躍。ウィッキーさん、「魔法使いサリー」のよしこちゃんのモノマネで人気を博し、情報番組「噂の!東京マガジン」(TBS系)のレギュラーとしてもお茶の間で親しまれた。

 入院などで療養していたわけではなかったというが、笑瓶さんは2015年12月にもゴルフのプレー中に急性大動脈解離を発症して救急搬送され、約2週間入院したことがあった。どんな病気なのか。東邦大学名誉教授で循環器専門医の東丸貴信氏は言う。

「大動脈解離は体の中心にある大動脈が裂けて剥がれる病気で、突然、解離が生じる急性大動脈解離では突然死を招くことも少なくありません。解離の場所により2つに大別され、心臓に近い上行大動脈が裂けるA型、胸部の下行大動脈から腹部にかけて解離するB型があります。A型である胸部大動脈解離は、発症後48時間以内に50%、1週間以内に70%、2週間以内に80%の高率で死亡するといわれています」

 発症の直接の原因ははっきりわかっていないが、高血圧などの生活習慣病、加齢、ストレス、肥満などが危険因子とされている。

「特に注意したいのが高血圧で、急性大動脈解離を起こした人の3分の2以上が該当します。患者数は女性より男性が約2~3倍多く、発症年齢は70~80代がピークですが、若い人でもたまに見られます。冬に発症するケースが多く、日中の午前6~12時が目立ちます」

 60歳以上の男性は今の季節はとりわけ午前中の血圧に注意したい。

関連記事