コロナワクチン接種後死亡2001件に…「因果関係が否定できない」を初認定

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 厚労省は今月10日、新型コロナワクチンの接種と副反応との関連性を議論する専門部会を開催した。同会に提出した資料によると、予防接種開始(2021年2月17日)から22年1月22日までに新型コロナワクチン接種後の死亡として報告・評価されたのは12歳以上で1997件(ファイザー社製1782件、モデルナ社製215件、武田社製ノババックス1件)。ファイザー社製5~11歳用3件だった。このほかに、2022年9月30日で使用中止となったアストラゼネカ社製1件がある。このため新型コロナワクチン接種後死亡数は合計2001件となった。

 専門部会では22年1月22日までに報告された12歳以上の1997件の死亡とワクチン接種との関連について、α=ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの、β=ワクチンと死亡との因果関係が認められないもの、γ=情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの──と評価している。その結果は以下の通り。

▼ファイザー社製 α=1件、β=10件、γ=1771件

▼モデルナ社製 α=0件、β=1件、γ=224件

▼武田社製ノババックス α=0件、β=0件、γ=1件

 また、ファイザー社製5~11歳用の3件については、いずれも「情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できないもの」と評価されている。

 なお今回、同専門部会としては初めて「α」(ワクチンと死亡との因果関係が否定できないもの)を認定した。認定したのは、前回の同専門部会(1月20日開催)で「評価中」とした42歳の女性のケース。この女性は、2022年11月5日に4回目としてオミクロン株対応2価ワクチンを接種後に顔面蒼白となり、24分後に心肺停止した。その後救急搬送先の病院で死亡が確認された。

 審議では「本事例について行われた死後画像検査は非造影であり、血栓症等の評価に限界はあるものの、胸部の大血管内の血栓や肺梗塞を示唆する所見がない等、典型的な肺血栓塞栓症を示唆する所見は得られておらず、その他の疾患も含めて死因となりうる具体的な異常所見は同定されなかった。死亡に至る原因疾患の特定のために剖検所見が得られることが望ましいが、実施されていなかった。本事例から得られた画像所見等の情報の範囲内においては、ワクチン以外の原因として死因となる具体的な異常所見は同定されなかった。以上を総合的に判断すると、ワクチン接種と死亡との直接的因果関係は否定できないものと考える」とした。

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