ハーブのひとつであるミントの和名で、スーッとする独特の清涼感が人気です。収穫は春から秋の間で行われ、今まさに、はしりの時季にあたります。
ハッカは精油で使われることも多く、たくさんのハッカから少量の精油しか作られず、少ない荷物にしかならないというゆえんから漢名では「薄荷」と書いたりするそうです。食べ物としてというよりも生薬として利用されていた歴史が古く、なんと古代エジプト時代から使われていたという報告もあります。日本でも平安時代の「本草和名」に登場するほど古いんですね。本格的な栽培は江戸時代に岡山県で始まりましたが、現在、全国で栽培される90%以上が北海道で栽培されています。
品種によって成分の種類や量が異なるため、それぞれの香りや風味に違いが生まれます。大きく、①苦みや独特な匂いがあるため医薬品向きのクールミント(和種ハッカ)②甘い香りが特徴でガムやお菓子に使われるペパーミント(セイヨウハッカ)③スースー感が弱く料理に多く使われるスペアミント(オランダハッカ)の3つに分けることができるでしょう。
そんなハッカの主成分であるメントールは医薬品の材料としても利用されており、胃の働きを正常化し、腸内ガスの排出を促す作用を持つことが分かっています。過敏性腸症候群の患者16人を対象としたイギリスの研究でも、ハッカ油を含むカプセルを3週間取ったところ症状が良くなったという報告や、成人141人を対象にハッカ油入りバリウムを飲ませた別の研究では添加していない場合に見られる痙攣(けいれん)が少なかったそうです。食べ過ぎや胃もたれのときにハッカを取れば、胸焼けを防ぐことができる可能性がありますね! スペアミントの主成分であるカルボンにも消化液の分泌を促して胃を健康に保つ効果がありますので、どのハッカでも同様の効果が期待できるでしょう。
その他、イライラしたときなどに取ると気持ちをリラックスさせてくれる効果があるリモネンが含まれます。頭をすっきりさせて気分をリフレッシュさせる効果もあります。
さらに、痛みを緩和する作用や殺菌作用があるため、湿布や虫さされの薬にはハッカ油が含まれています。
時間栄養学と旬の食材