通信教育事業などを展開する日本の大手企業が実施した調査によれば、初めて子供だけで留守番をさせた時期は、小学校1年生という回答が最多でした。子供を家で1人にさせることは、自立心を育む良い機会と考えることもできる一方、親の監視の目が行き届かない状況では、子供の生活習慣が乱れる可能性もあります。
このような生活習慣の乱れは、子供の虫歯のリスクを高める原因となるかもしれません。そのような中、子供が1人で過ごす頻度と虫歯の関連性を検討した研究論文が、日本疫学会誌の2023年6月号に掲載されました。
この研究では、東京都足立区の小学校に通う小学1年生1万2029人が分析対象となりました。子供を家で1人にさせる頻度は、保護者を対象としたアンケート調査に基づき、「一度もない」「週に1回未満」「週に1回以上」に分類しています。また、学校で行われた歯科検診のデータを用いて、子供が1人で過ごす頻度と虫歯の関連性が検討されました。なお、研究結果に影響を与え得る母親の年齢や就業状況、世帯収入、兄弟の有無、祖父母の同居有無などの因子について、統計的に補正して解析されています。
その結果、保護者の46.4%が平日に1時間以上にわたって子供を1人で家に残すと報告していました。また、虫歯を有する子供の割合は、家で1人にさせる頻度が「一度もない」場合と比べて、「週に1回以上」で11%、統計学的にも有意に高いことが示されました。さらに、子供が1人で過ごす時間と虫歯との関連性は、スナック菓子やジュースの摂取量が影響している可能性も示されました。一方で、「週に1回未満」では虫歯との関連性は示されませんでした。
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