東洋医学を正しく知って不調改善

それぞれの体質が治療の重要なポイント…自分の体質を知る方法は?

(C)日刊ゲンダイ

 東洋医学では同じ症状であっても、体質が異なれば合う漢方薬、ツボが異なります。体質は、大きく分けて5つ。

「肝」「心」「脾」「肺」「腎」です。タイプ別の特徴を簡単に挙げましょう。

肝…目力があり、色黒、がっちりとした筋肉質。声は大きく、太っ腹で親分肌、少々のことで動揺しない。

心…目が大きく、顔のパーツがはっきりしており、赤ら顔。明るくよく笑うムードメーカーで行動力あり。一方、KY気質で浮き沈みが激しい面も。

脾…小さい口で、唇のしまりが悪く口の周囲が黄色っぽくなりやすい。皮膚に張りがなく痩せ形。新しいことを始めるのが苦手で、根気がなく、なまけ癖もあり。

肺…色白で体毛が薄い。風邪をよくひき、声に力がなく、行動力が乏しい。取るに足らないことで悩む傾向があり、愚痴が多い。

腎…耳と肩幅が小さく、ひょろりとしている。物腰が柔らかく落ち着きがあるが、性欲は乏しく積極性に欠け、怖がり。

 実際はタイプごとの違いはもっと細かくあり、東洋医学を専門とする者は、それを一つ一つ確認し、患者さんに最適の処方をします。ただ、日頃から健康維持のために何かをしようと思っている程度であれば、「自分はこのタイプに近そうだ」という分類でもいいと思います。

 タイプごとの健康維持の工夫を最後に紹介します。「肝」はビネガードリンクや炭酸がおすすめ。「心」はセロリ、ゴーヤー、グレープフルーツといった苦みのある食品を。「脾」は冷たい物、甘い物に注意。「肺」は落ち込んだ時などサウナで汗を流すと気分転換に。「腎」は日頃から、ゴマ、わかめ、黒豆など黒い食材を取るように心がける。

 自分がどのタイプか。知っておくと健康維持・増進に役立ちます。

中根わたる

中根わたる

日本医学柔整鍼灸専門学校教員、はり師、きゅう師。

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