「漢方薬」はいま西洋医学の現場でもこれだけ使われている 医師の9割が処方

漢方薬の有効性の認識が広まりつつある(千葉大学隅田漢方研究所)/(C)日刊ゲンダイ

 漢方薬というと、たしかな効果がないのではといったイメージを抱く人も多い。しかし近年、漢方薬を処方する医師が増加している。漢方薬と西洋医学の最新事情について、千葉大学墨田漢方研究所の勝野達郎氏に詳しく聞いた。

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「現在、医師の約9割が日常的に漢方薬を処方していて、西洋医学の現場においても漢方薬の有効性の認識が広まりつつあります」

 2011年に日本漢方生薬製剤協会が医師を対象に行った漢方薬処方実態調査によると、処方する理由に「西洋薬で効果がなかった症例に漢方薬が有効だった」と答えた医師が最も多かった。さまざまな学会でも漢方薬の治療効果が発表される機会が増え、西洋医学の現場でも漢方薬が取り入れられているという。

「アトピー性皮膚炎の西洋医学的治療は進歩しつつありますが、漢方薬の併用が有益な場合があります。第一薬科大学の論文では、胃腸の働きが衰えて疲れやすいアトピーの患者さんには胃腸の働きを整え免疫力を高める『補中益気湯』が有効だと報告されています。適切な漢方薬の併用を2~3カ月継続すると体質が改善し、肌の炎症が収まってくるケースも少なくありません」

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