患者に聞け

高血圧症の克服(5)「降圧剤の処方を変えましょうか」担当医からうれしい言葉

タバコをやめればさらに改善
タバコをやめればさらに改善

 40代に入って「高血圧症」と診断された。以来20年間、降圧剤「アムロジピンOD錠」を常備薬にしてきた早川栄治さん(仮名.69歳=埼玉県在住)だが、今年5月に予想外の様変わりを見せる。

「自宅近所の総合病院で2カ月に1回、『Ⅰ度高血圧』(収縮期血圧140~159mmHg。拡張期血圧135~144)の治療を受けていた私は、担当医師から運動をしてくださいと、言われ続けていました」

 医師の指示に従い、2022年の秋ごろから毎日朝方、40~50分の散歩(有酸素運動を含む)を続けてきた。

 また、散歩の途中で農道のあぜ道にある農家の野菜直売所に立ち寄り、トマト、タマネギ、大根、キュウリ、ナスなどの野菜を買い求めて帰宅。いずれもポリ袋に3~4個入りで150円前後の低価格だった。直売所に野菜がない季節は、スーパーに足を延ばした。昼に少し空腹を覚えたときはトマトを丸かじり。夜は酒の量も缶ビール1本程度に抑え、どんぶり1杯分の生野菜サラダをガツガツと食べ続けた。

「3カ月前の5月22日、血圧測定で最高血圧が121、最低血圧82だったんです。こんな正常な数値なんてもう何年も見ていなかった」

 この血圧の正常数値は8月に入っても続いている。

 早朝から気温32度に達する猛暑の8月上旬、早川さんは2カ月ごとの定期検診日に診察室で担当医師と向き合った。

「数値はどうでしょうか」との早川さんの問いに、担当医は「血圧管理手帳」をめくりながら、うれしい言葉を返してくれた。

「血圧が下がっていますね! 次回の診察日までもしこのままの状態なら、血液を測ってみて降圧剤の処方を切り替えましょうか」

 早川さんは「これでたばこを完全にやめたら、血圧はもっと下がりますね」と口にして、互いに笑顔を見せたという。(この項おわり)

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