膝痛の意外な原因に…「膝裏の硬さ」はストレッチで改善できる

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写真【A】(C)日刊ゲンダイ

 床にあおむけに寝て、足裏が天井を向くように足を持ち上げてみてほしい。この時、膝裏がまっすぐ伸びているだろうか。年齢を重ねるほど、膝裏を伸ばせない人が増える。それが膝痛を招く可能性がある。

 実は記者(50代)も膝裏がまっすぐ伸びない。東京や埼玉でパーソナルトレーナーとして活動する中川雅子さんによれば、膝裏が伸びない理由として、次の3つが考えられるという。

(1)半月板損傷で、痛みを伴うため膝の曲げ伸ばしが難しい

(2)変形性膝関節症の進行で、膝の中の骨が変形していて伸びない

(3)膝裏の柔軟性と筋力の不足

写真【B】
写真【B】(C)日刊ゲンダイ
ふくらはぎや、もも裏の硬さが関係していることも

「損傷経験がなく、変形性膝関節症でもなければ、膝裏の柔軟性と筋力不足でしょう。年齢を重ねれば、誰でも柔軟性や筋力が落ちる。意識して対策を講じる必要があります」(中川さん=以下同)

 膝裏が伸びないのは膝裏だけが硬いせいだと思いがちだが、ふくらはぎやもも裏の硬さが関係していることも。ふくらはぎともも裏の筋膜は重なっており、どちらも硬いと互いに引っ張り合い、膝裏に負担がかかってしまう。

 さらに前ももの硬さも、膝の伸び縮みに影響を与える。

「膝周辺の筋肉の伸び縮みがうまくいかないと、歩行時、膝に負担がかかり、やがては膝に痛みが出てくる。そうならないためには、柔軟性を高めるストレッチを行うこと。毎日やれば、必ず変わっていきます」

写真【C】
写真【C】(C)日刊ゲンダイ
タオルを使って左右交互に行う

 中川さんがお勧めする方法は次の通り。いずれも自然な呼吸で、左右交互にやる。

【A】あおむけ寝で片足を上げ、その足裏にタオルを引っ掛けたまま30秒間キープ。膝は曲がっていてもいいが、もも裏が伸びている感覚を意識すること。

【B】床に座り、片足を伸ばす。伸ばした足のつま先にタオルを引っ掛けて、少し強めにタオルを引っ張り、30秒間キープ。

【C】床に座り、片足を伸ばす。折り畳んで厚みを出したタオルを、伸ばした方の足の膝裏に置く。両手を後ろに突いて体を支える。その状態でつま先を天井に向けたら、タオルをギュッと潰すように膝裏で押す。15回が目安。

 やってみると分かるが、純粋に気持ちいい。“ながらストレッチ”としてぜひどうぞ。

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