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【チョコレート】1日40グラム摂取でストレス関連ホルモンが減少

チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには抗酸化作用がある
チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには抗酸化作用がある

 2月14日はバレンタインデー。いまが1年間でもっともチョコレート需要の高まる時期です。

 チョコレートの起源は1847年、ジョセフ・フライ氏がココアバターを使用して初めて“飲むチョコ”から“食べるチョコ”に形を変えたことに始まります。日本では江戸時代に初めてチョコレートが伝来し、明治時代には欧米視察で知識が広まったそうです。

 大正時代には、森永製菓や明治製菓が創業。昭和時代には各社が市場に参入し、戦前には黄金期を迎えました。戦時中はカカオ豆の輸入制限があり、代用品を使用したチョコレートが出回っていましたが、終戦後にカカオ豆の輸入が再開されるとともに、消費が急増。今ではたくさんのチョコレートが開発・販売され、私たちにとって欠かせない嗜好品になっています。

 チョコレートにはさまざまな栄養素が含まれますが、中でも有名なのは高カカオチョコに含まれるカカオポリフェノールではないでしょうか。血中悪玉コレストロールや酸化を防いでくれる抗酸化作用が解明されているほか、1日40gの高カカオチョコレートの摂取によってストレス関連ホルモンの数値が改善し、血流まで良くなった報告もあります。日本チョコレート・ココア協会によると、1日600mg程度(高カカオチョコ約3~5枚)のカカオポリフェノール摂取で、心臓病リスクの低減や血圧のコントロール改善効果が期待できるともいわれています。

 また、カカオには大腸の働きを促進し、お通じを良くするリグニンと呼ばれる食物繊維が含まれています。ミルクチョコレート25g(板チョコ1/2枚程度)で約0.98gの食物繊維を摂取できるのも驚きです。

 嗜好品として位置付けされるチョコレートの摂取目安量は一般的には定められていません。しかし、厚生省・農水省から出される「食事バランスガイド」によると、1日の菓子・嗜好品の目安は200kcal以下とされています。チョコレートの種類によっても変わってきますが、一般的な個包装チョコレートなら1日3~5枚、板チョコレートなら1/2枚程度が目安でしょう。

 夜遅くに糖質を多く含む食品を食べると夜型化を引き起こすことがわかっています。食べるのであれば、午前中~夕方頃までの間にとどめておくのがおすすめ! 必要量以上に食べすぎないよう、必ず表示を見て、摂取する時間と合わせて選んでみては。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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