スポーツ医学博士が推奨する簡単楽チン「ABCダイエット」

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 うまく痩せるための方法として「ABCダイエット」を推奨するのが、スポーツ医学博士の奥松功基さん。女性のがん経験者を対象に行われた「MICIN少額短期保険」でのセミナーでのことだ。

 奥松さんは2015年、母親の乳がん(ステージ3)をきっかけに筑波大で運動の研究を開始。肥満はがんの発症、再発リスクを上げることは複数の研究で証明されていることから、がん経験者向けの運動をテレビ、雑誌、SNSで発信している。スポーツジムでも運動指導をしており、がんを経験した受講者が殺到しているという。

 奥松さんによれば、がん再発予防の観点からトレーニングと並んで重要なのが、食事。痩せやすい食事と運動を並行して行うことで、効率よく痩せられ、体型を維持できる。「運動よりも食事を変えた方がダイエットに効果的」「食事は運動より(ダイエットで)4倍効果が高い」という発表もあるそうだ。

 ABCダイエットとは、食材をダイエット向けから増量(=太る)向けまでA、B、C、Dの4グループに分け、目的に応じてどう食べるかを組み立てられるようにしたもの。A食材は100キロカロリー未満、B食材は101〜200キロカロリー、C食材は201〜400キロカロリー、D食材は401キロカロリー以上。

「ABCダイエットの利点は、極端な食事制限にならないこと。女性の場合、C、D食材を1日合計4回以下にし、A、B食材を中心に取れば痩せられます。体重維持の場合はC食材を1日5回程度、体重増加の場合はC食材を1日6回程度にするといいでしょう」(奥松さん)

 主な食材を挙げると……

【A食材】
・まぐろ 100グラム
・タラ 100グラム
・ツナ缶水煮 2個
・鶏胸肉 100グラム
・ささみ 100グラム
・しらたき1パック 250グラム
・ブロッコリー 150グラム
・キュウリ 300グラム

【B食材】
・牛/豚もも肉 100グラム
・鯖缶水煮 120グラム
・イワシ 100グラム
・納豆 2パック
・豆腐ミニ 一丁
・魚肉ソーセージ 100グラム

【C食材】
・鯖缶味噌煮 120グラム
・牛/豚ロース 100グラム
・ベーコンロース 100グラム
・牛乳 2杯
・白米並盛り 130グラム
・食パン4枚切り 1枚

【D食材】
・牛/牛バラ肉 100グラム
・ソーセージ 100グラム
・焼き肉ハラミ/タン 100グラム
・白米大盛り 250グラム
・パスタ 1.5玉
・メロンパン 1個

 1日のトータルで見るのもそうだが、1食にいかにC食材やD食材を重ねないか。これが、ダイエット成功か否かの分かれ道になる。「C食材を1日合計4回以下で痩せられる」と前述したが、1食でみれば、3回以上にはならないようにしたい。

「カレーは、白米、肉、カレールウと1食にC食材が3カウントで、ダイエットと相性はよくありません。私がダイエット指導している方のある日の食事では、ささみと野菜のオイスターソース炒め、玄米、ブロッコリー、にんじん、トマトの献立。結構ボリューミーですが、ささみはA食材で、玄米はC食材ですが130グラム以下なのでC食材としてカウントされない。すべて食べてもC食材が入っていません」(奥松さん)

 D食材はC食材以上の「増量向け食材」だが、たとえば豚バラ肉(D食材=C食材2回分とカウント)を食べたら白米(C食材)を抜く。これでC食材3カウントとはならない。

 ABCダイエット、がん経験者に限らず、痩せたい人、太りたくない人すべてが押さえておきたい方法だ。

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