不眠症に陥ることも…「8時間睡眠」の“非常識”を専門家が解説

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「睡眠時間は8時間が理想的」――。昔からいわれている“通説”を信じている人は多い。しかし、この数字には医学的な根拠はなく、8時間睡眠にこだわり過ぎて、逆に不眠症になってしまうケースもあるという。

 全国で睡眠セミナーを開催している作業療法士の菅原洋平氏が言う。

「必要な睡眠時間は個人によって異なり、季節や年齢によっても変わってきます。日照時間が短い冬は、夏に比べて睡眠時間が2時間ほど多くなるし、年を取ると少なくなっていきます」

 高齢になると、基礎代謝量が落ちて日中のエネルギー消費量も低下するため、体が必要とする睡眠量は少なくなる。また、睡眠中に行われる脳の情報処理も、年を取って経験が増えると、短時間でできるようになり、その分、短くて済む。

 そもそも睡眠は、一律に何時間取ればOKとはいえないもの。目安になるのは「起床してから4時間後に眠気があるかどうか」だ。

「人間の生体リズムは起床から4時間後、脳が最も活発になるようにプログラムされています。そのタイミングで眠気が出れば、睡眠時間が足りていないと判断できるのです」

 男性の場合、55歳を境に睡眠の変化が表れる。若い頃のようにたっぷり眠れなくなったからといって悩んだり、無理して眠ろうとしたりすると、睡眠のリズムが崩れてしまう。「8時間」は忘れていい。

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