寝苦しい真夏の夜をスッキリ乗り切る

“8時間神話”にとらわれない 夏は二度寝をやめて短く眠る

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 朝から気温が上がり、暑くて目覚めてしまった。そんなとき、「まだ眠れるのにもったいない」と、二度寝をした経験がありませんか? 実は、この二度寝には注意が必要です。

 必要な睡眠時間の長さは、日照時間によって決まります。日照時間の長い夏は睡眠時間も短くなり、日照時間が短い冬は睡眠時間が長くなります。夏至と冬至では、睡眠時間に2時間程度の差があるのが自然です。頭の中で「8時間睡眠が良い」と思い込み、一年を通して同じ睡眠時間を目指そうとすること自体が不自然なのです。

 つまり、夏に朝早く目覚めたら、それで睡眠は終わりということ。そのまま起きてしまった方が体の調子は良いといえます。しかし、それを邪魔するのが「長く眠った方が体は休まる」という先入観です。

 睡眠の後半には、起床準備を整える働きがあります。起きる時間の3時間前から「コルチゾール」というホルモンが分泌され、血圧や血糖値を高めて“起きられる体”をつくっていきます。そして、ピークを迎えると自然に目が覚めます。

 ところが、「もっと眠れるのにもったいない」と二度寝をすると、コルチゾールはいったん低下し、最終的に目覚めたときに急激に増加します。コルチゾールが異常に増加するのは、うつ病の状態と同じです。不用意な二度寝によって、一時的にうつ状態がつくられるので、朝からやる気がなく、些細なことでイライラするようになってしまうのです。

 そこで、朝目覚めたときに、二度寝をしても良いか否かを判定するサインを覚えておきましょう。目覚めたとき、頭が重くボーッとしていたら、それはまだ睡眠の途中なので、二度寝をしても大丈夫です。

 一方で、パッと目が覚めて意外とスッキリしていたら、睡眠が終わったサインです。この場合、「まだ眠っていたい」という気持ちがあっても、思い切って体を起こしてしまった方が調子が良いはずです。目覚めたときの体の状態で二度寝をするか否かを決めれば、悪い二度寝を避けられます。

 そもそも、「体の疲れを回復したい」というのが、二度寝をする動機のはずです。頭で「長く眠った方が良い」と考えるのではなく、体のサインに従えば体はしっかり回復し、無駄に不調を招くことを防げるのです。