「リジリエンス(回復力・復元力)」という言葉をよく耳にします。
ここ数年は、地球温暖化による自然災害に遭っても素早く復旧できる環境を「リジリエンスのある街づくり」などと表現することが多かったのですが、最近は心理学用語としての「リジリエンス」がよく使われるようになっています。
つまり、逆境に見舞われたり、強いストレスを受けた時にも、ちゃんと回復できる力がリジリエンス。「復元力のある弾力性のある心」といった方が理解しやすいかもしれません。リジリエンスのない心は、うつ病などにつながりやすいことも指摘されています。
特に中年の男女にとって、このリジリエンスは非常に重要と考えられています。年齢的に離婚や親の死、病気などを経験することが多いからです。ありがたいことに、リジリエンスは努力すればいくつになっても強くすることが可能だそうで、その方法をアドバイスするメディア記事などもよく見かけます。
ニューヨーク・タイムズ紙では、リジリエンスを高めるための方法として専門家の意見を掲載しました。まずは、物事を楽観的に捉える癖をつける。たとえば、もし失業しても、それが人生を考え直したり、もっと好きな仕事に出合えるきっかけと考えてみるといいとのこと。
また、苦しい経験は自分を成長させるための貴重な出来事に書き換えてしまう。そして、逆境の原因が自分にあると考えるのはやめる。さらに、過去の自分がどうやって壁を乗り越えたかを思い出すことで、自分を信じることができるようになるそうです。
ストレスを感じたら立ち止まって「これは自分が強くなるチャンス」と意識するのも大切。こうした「心の癖」をつけることがリジリエンスを育てることにつながるといいます。
一つずつでもいいので、新しい癖にしてみてはどうでしょう。
ニューヨークからお届けします。