独身は既婚より確率高い 認知症防ぐ生活法を医学博士伝授

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 独身者は認知症になる――。こんな研究結果が注目されている。

 ロンドン大学の研究チームが欧州人や日本人などを調査。配偶者と死に別れた人や生涯結婚しない人は、結婚している人より、アルツハイマーなどの認知症になる確率が42%も高かったという。

 認知症は独身だけでなく妻帯者にとっても怖い病気だ。どんな生活をすればボケずに生きていけるのか。

 まず大切なのが食生活。認知症予防には魚と緑黄色野菜が効果的ということが分かっている。魚は川魚よりもDHAとEPAが多く含まれるサバやイワシが、野菜はピーマンやキュウリ、葉物がお勧め。オリーブオイルも予防効果があるという。

 頭を使うことも重要だ。医学博士の米山公啓氏が解説する。

「読書もけっこうですが、料理に挑戦するのもお勧めです。料理は段取りをしながら調理する“同時処理”の作業なので脳の刺激になる。毎日同じものをつくるのでなく、独自の創作料理を考えるとさらに効果が高まります」

 米山氏によれば、絵画や彫刻などの美術系の趣味を持つと認知症になる危険性が7割減り、編み物や手芸だと5割減。このほか映画観賞やゲームなども効果があるという。

 ジムなどで筋トレをしている人はウオーキングをうまく組み合わせる。週に1、2回体を鍛えつつ毎日30~40分歩くのがベストだ。

「テレビを漫然と見るのでなく、見聞きした内容をあとで思い返す。あるいはネット検索して詳しく調べる。クイズ番組を見て答えを考えるのもいいでしょう」(米山公啓氏)

■ボランティアより定年延長

 一日に1時間以内の昼寝をして夜はぐっすり眠る。深い眠りは脳の活性化と記憶の整理をもたらしてくれるからだ。

 医学博士で作家の左門新氏は「熟年の恋愛」を推薦する。

「恋愛は楽しい食事とコミュニケーションをもたらします。ラブレターをメールで送るのは頭を使いますからね。セックスは適度の運動と睡眠につながる上に脳が刺激されます。起床後に日光を浴びると体内にビタミンDが分泌されて免疫力アップ。心身ともに健康になり、恋愛に前向きに取り組めるのです。定年後はボランティア活動よりも働いたほうがいい。責任ある仕事は給料をもらうので緊張感を生み、脳に適度なストレスをもたらすためボケずにすむのです」

 もう認知症は怖くない!

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