飲み会が多いほど悪化 お酒とストレスの「危険な関係」

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「ストレスがたまる。酒で気分を変えよう」――。こんな人に警告だ。酒は逆にストレスを強めてしまうことがある。

 ストレス測定のスマホアプリ「ストレススキャン」を手がける「DUMSCO」がユーザー7257人にアンケート調査。心拍変動をもとにしたストレス数値(0~100)と飲酒回数の関係を割り出した。

 調査によると、男女全体のストレスが最も低いのは1週間の飲み会の回数を「0回」と回答した人で数値は46.9。次いで「1~2回」が47.1、「3~4回」が50.0と回数が増えるごとに数値が高くなり、「5回以上」は55.6となった。男性に限定すると「5回以上」の数値は56.9に上る。

 飲み会が多いからストレスが高じるのか、それともストレスが強いから飲み会の頻度が増えるのかは不明だが、気になるのは酒を飲むときの人数の違いだ。男性に「一人が好き」「数人が好き」などを聞いたところ、ストレス数値が最も高かったのは「一人が好き」と答えた人だった。飲み会が多い人ほどストレスが高まる。しかも一人でも酒を飲むわけだ。

「お酒はストレスを強めてしまうことがあるのです」と解説するのは「医療法人社団すずき病院」理事長で精神科医の坂本博子氏だ。

「確かにお酒を飲むとストレスが発散され、気分良くなります。だけどそれは一時的に嫌なことを忘れるだけ。酔いがさめるとまたストレスがたまってくる。人によっては酒席で起こしたトラブルを気にして気が滅入ることも。その結果、軽いうつ状態になり、一人でもお酒を飲まなきゃいられなくなるのです。酒量が増え、アルコール依存症になる人もいます」

 楽しい仲間と飲むならいいが、取引先との飲み会は考え物。お世辞を言い、お酌をして気を使ううちストレスが高まり、つい飲みすぎてしまう。胃腸がおかしくなり、胃痛や下痢を引き起こす人もいる。

「嫌な飲み会にはなるべく参加しないことです。仕方なく参加する場合は途中からウーロン茶に替えるのがいい。最初の店で味わったストレスを2次会のカラオケで発散できる人もいます。一人飲みの習慣がある人は趣味を持ったり、サークル活動に参加して気持ちを切り替えるようにしてください」(坂本博子氏)

 酒とストレス、うつ状態はセットでサラリーマンを苦しめるのだ。

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