専門家に学ぶ 喘息コントロール術

猫が喘息悪化の原因 飼いつつ症状を軽減させるポイントは

家族の一員だけど…
家族の一員だけど…(C)日刊ゲンダイ

 喘息は、残念ながら治る病気ではありません。ある程度の期間は長期管理薬を日常的に吸入・服用してもらう必要があります。

 さらに、喘息発作を起こしやすくする要因を取り除いてもらわなければなりません。長期間にわたり、これらを行う上で不可欠なのは、「自分の喘息」について正しく理解しなければならないということ。

 主治医が単に「喘息です。こちらが薬です」と言うだけの治療では、患者さんは薬をいずれ飲まなくなるでしょう。また、激しい喘息発作を起こして救急搬送になるリスクも高くなるでしょう。

 ただし、喘息発作を起こしやすくする要因を取り除いてもらうのは、まさに「言うは易し、行うは難し」であることが多いのです。

 特に頭を悩ますのが、ペット問題です。喘息の患者さんには、自宅で猫を飼っている人が結構います。呼吸器内科医としては、喘息患者さんが自宅で猫を飼うのは、症状悪化につながるためNGです。

■夜は寝室に入れない

 とはいえ、家族の一員として猫を可愛がっている人が大半。「喘息に良くないから」と医者に言われたからと、すぐに猫をよそにやるような人はいないのです。あまり言いすぎると、猫を飼っていることを隠してしまう人もいます。

 それでも以前は、「喘息のことを考えるなら、自宅で猫を飼うのは駄目です!」と言っていました。しかし今は、患者さんができることをアドバイスするようにしています。

 具体的には、「今の猫が亡くなったら、次を飼うのはやめてください」「猫を寝室に入れるのだけはやめてください」といったアドバイスです。

 喘息は、夜間に悪化しやすいので、寝室にペットを入れないだけでも大きな違いがあります。

(NTT東日本関東病院呼吸器センター・放生雅章センター長) 

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