子作り治療 最前線

正しい「タイミング法」は 月経が始まって12日目がベスト

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 妊活を始める際に、「基礎体温を測る」や「タイミング法」という言葉をよく耳にする。自然妊娠を高めるために行うことだが、男性もよく理解していないと失敗する。不妊治療専門施設「はらメディカルクリニック」(東京都渋谷区)の原利夫院長が説明する。

「女性の排卵日は月に1回。しかも、卵子の寿命は24時間で、うち受精可能時間はせいぜい12時間です。タイミング法とは、その排卵に合わせて性交をする方法です。そして、排卵のタイミングを計るのに最も一般的なのが基礎体温表をつけることです。女性の体温は月経(生理)周期やホルモンバランスとともに変動していて、毎朝同じ時間に測ってグラフをつけることで、排卵日をある程度、予測できるのです」

 基礎体温とは、体が安静時の体温のこと。その状態に最も近いのが、朝起きてすぐ。寝床で体を動かさないうちに測定する。正常であれば基礎体温は低温期(月経から約2週間)と高温期に分かれ、その境目で排卵が起こる。

 基礎体温表と並行して、補助的に市販の検査薬を使うのもいい。尿中の黄体化ホルモンの濃度を測る検査で、陽性反応が出てから40時間後に排卵が起こるという。

 この月経周期は28~30日間が基準範囲になる。では、排卵日が予想できたら、いつセックスをするのがいいのか。今は排卵日を知らせてくれる便利なスマホアプリもあり、多くの人は排卵日当日が一番いいと思っている。しかし、それが間違いだという。

「排卵日の5日前から妊娠のチャンスが訪れますが、排卵日の2日前に性交するのが最も妊娠しやすい。精子は射精後4日間くらい生きていますが、最も元気がいいのは48時間。卵子の受精可能時間は短いので、精子が卵管の膨大部に先に行って待っているのが望ましいのです。それを排卵日当日が一番いいと思って性交するので、受精が間に合わないのです」

 また、女性には「月経が終わってから12日目に性交するのが一番いい」と勘違いしている人が多いという。本当は、「月経が始まってから12日目」が一番いい。

 通常、月経が始まってから14日目に排卵する。つまり、排卵日の2日前だ。

 タイミング法は、女性が35歳までなら半年くらい自分たちでやってみるといい。

 ただし、通常の性交(週2~3回)を続けていることが大前提だ。35歳を過ぎると月経周期が乱れてくるので、医療機関でエコー検査や血液検査を受けた方がいいという。

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