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落ち着きがなくミスが多い「大人のADHD」の治療法とは

勝間和代さんもカミングアウト
勝間和代さんもカミングアウト(C)日刊ゲンダイ

【Q】子供の頃から、落ち着きがなく、ちょっとしたミスが多い。「大人のADHD」ではないかと疑っています。その場合、どういう治療が行われますか? (40代・男性)

【A】頭の中で考えていることの整理が上手にできない。物事に優先順位をつけられない。ミスが多い。片付けが苦手。大人のADHDは、これらがセットで表れます。

 ADHDの診断は、「成人期のADHDの自己記入式チェックリスト」への記入、複数回にわたる慎重な面接などで行います。日本で現在、認可されている薬は2種類あり、症状が生活に支障を来している場合、薬を処方します。

 大人のADHDは、子供の頃から症状があります。しかし日本の学校教育は成績重視のため、IQが高い人は成績でカバーされ、本人も周囲もあまり気づかない。

 ところが就職すると一変する。社会に馴染めない自分に直面します。何をしたらいいか分からず、ひたすら指示待ちをしてしまう人もいます。

 発達障害は個性。薬も一生飲み続けるものではない。通院によるカウンセリングでミスの原因を探ったり、能力を発揮できる仕事はないかなどともに考え、減薬や断薬を目指します。

 ADHDと診断されれば、カミングアウトしたほうがいい。自分の特性を理解してもらい、居場所をつくり上げるのです。

 ADHDをカミングアウトしている評論家の勝間和代さん(写真)も、周囲のスタッフに自分の特性を理解してもらった上で、自分の居場所をつくり上げていますよね。

 最後にひとつ。ADHDの人はミスや忘れ物をした場合、とっさにウソをついてごまかそうとすることもありますが、これはもっての外。周囲に理解されないといけないのに、ウソをつくと信頼をなくしてしまいます。

(あいわクリニック/横山章光院長)

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