前回、取り上げた「聴覚異常」のような五感に悪影響が出る副作用はQOLの低下を招くので注意が必要です。とりわけ、不可逆的な(治らない)副作用は絶対に避けたいところです。
今回は「視覚異常」の副作用を紹介します。視覚異常(視覚障害)には、弱視、複視、飛蚊症などがあり、以前にも取り上げた「リリカ」(プレガバリン)による霧視や、視力低下の副作用も視覚異常に含まれます。
リリカによる視力低下はひどいケースになると元に戻らなかったり、最悪の場合、失明することもあるので、副作用の発現は飲み始めだけでなく、長期間しっかりとフォローすることが大切になってきます。
視覚異常の副作用として、まれなケースですが「バイアグラ」(シルデナフィル)で「青視症」が起こるケースがあります。眼球内の水晶体によって有害な青色光線がカットされなくなり、青いものが非常に鮮やかに見える症状が表れます。彩視症や色視症と呼ばれることもあります。
■時間経過とともに後遺症もなく改善
バイアグラで青視症が起こるのは、バイアグラが本来作用すべきではない視神経に作用することによって、脳が異常に光を感知するためだとされています。まさに予期せぬ作用=副作用というわけです。ちなみに、バイアグラの錠剤が青色だから青視症が起こるのだという話も耳にしますが、これは全く根拠のない都市伝説のようなものです。
バイアグラ服用による青視症は、一般的には時間経過とともに後遺症なく改善します。いたずらに心配する必要はありません。ただし、目がチカチカするなどの初期症状が表れた場合には、安全のため、クルマの運転は控え、少し安静にしてから動くようにしましょう。
クスリと正しく付き合う