【Q】焼き肉などに行った後の胸焼けがひどい。吐きそうになることもあります。肥満で食生活が乱れがちなのですが、それが原因でしょうか? (30代・男性)
【A】胃酸が食道へ逆流し、胸焼けや胃もたれ、吐き気を引き起こす、逆流性食道炎を含む胃食道逆流症が疑われます。喉や耳の痛み、咳、時には心筋梗塞と間違えるような強い胸痛を症状として訴える人もいます。
胃の入り口にはバルブのような役割をする筋肉の噴門があり、食べ物をのみ込む時に開き、それ以外は閉じている。この噴門が緩んで逆流が起こります。肥満、老化、前傾姿勢などがあると噴門が緩み、発症しやすくなります。
以前テレビ番組で歌手の福山雅治さんが逆流性食道炎と話されたようですが、役者さんや歌手には多いんですよ。彼らは腹式呼吸で声を出すたびに腹圧をかけていますから。それに福山さんはギターを弾くでしょう? ギターは前かがみの姿勢ですから、さらに腹圧をかけることに。
便秘やベルトやコルセットでお腹を強く締め付けることが多い人、精神的ストレスを抱えていて胃の働きが弱っている人もかかりやすいです。
診断するには、まず胃カメラ。放置すると食道が狭くなり、食べ物が通りにくくなることがあります。食道がんのリスクも上がります。自覚症状がある人は早めの受診をお勧めします。
胃食道逆流症と診断されたら、酸の分泌を抑える薬での治療になります。重症の場合は手術も検討します。非常に再発率の高い病気なので、治療後は再発しない生活を心掛けてください。
ポイントは、食生活や姿勢、腹圧に気を付ける。肥満解消、過度の食事や飲酒は避ける、脂肪の多い食事や香辛料、カフェインや甘いものを取り過ぎない。なるべく前傾姿勢を減らして腰を伸ばして腹圧をかけないことも大切です。
(下北沢トモクリニック/村上知文院長)
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