医者も知らない医学の新常識

痛みが強く再発も多い「帯状疱疹」はワクチンで予防する

はしか、風疹混合ワクチンの接種を受ける1歳児
はしか、風疹混合ワクチンの接種を受ける1歳児(C)共同通信社

 帯状疱疹は、皮膚に水ぶくれのような赤い湿疹が出来て、痛みを伴うという病気です。

 一度水ぼうそうにかかった後、ウイルスが神経節という部分に潜んでいて、体の抵抗力が弱った時に、再び増殖して起こると考えられています。

 昔は一生に一度しかかからないという説がありましたが、実際には再発も多いことが分かっています。

 帯状疱疹は通常なら自然に治りますが、帯状疱疹後神経痛といって、治った後でも痛みだけが残ることがあります。これは非常に厄介でつらい症状です。それでは、帯状疱疹を予防することは出来るのでしょうか? 

 その決め手と考えられているのがワクチンです。日本で現在、使用されているのは、水ぼうそうのワクチンと同じもので、2016年から50歳以上の年齢で、帯状疱疹予防のための接種が出来るようになりました。

 ただ、その効果は50%くらいですから、それほど高いものではありません。

 海外では50歳以上で90%以上の効果がある、免疫増強剤を添加したサブユニットワクチンという専用のワクチンが開発され、既に接種が開始されています。日本でも製造販売の承認はされていますから、近い将来、接種が可能となりそうです。

 ただ、このワクチンは効果がある半面、副作用(副反応)も強いので、従来のワクチンより慎重に接種する必要があります。

 帯状疱疹はワクチンで予防する時代になりそうです。

石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

関連記事