オジサンよりもクサい…女性の口臭がひどい3つの原因とは

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「口がクサい」といえば、中年以降の男性を真っ先に思い浮かべるのでは? ところが意外な調査結果が出た。女性の方が口がクサいというのだ。

 日頃から「クサい」と妻や子供に言われているからか、お父さんたちは口臭を気にしている人が多いようだ。日本歯周病学会理事・若林健史氏(歯学博士)らによる調査「口臭白書2019」で、男女それぞれ2350人ずつにインターネットで「口の中の悩み」を聞いたところ、男性の1位が口臭。女性は5位で、「歯の黄ばみ」が1位だった。

 では、本当に男性は口臭がひどいのか? 同調査では首都圏214人を対象に口臭の実態調査も行った。用いた口臭測定器の測定値「50」が基準値。これ以上数値が大きくなると、周囲も感じる程度の口臭だ。すると「50以上」となったのは、男性8・3%に対し、女子17・9%と2倍以上。男性は中高年層でも「50以上」が9・3%だったが、女性は若年層で11・5%。中高年層で24・1%。約4人に1人が、周囲が感じるほどの口臭あり、との結果だった。

「女性の方が口臭があるのは、女性には思春期、妊娠・出産期、更年期とホルモンバランスが変化しやすい時期があることが関係しています」(若林健史氏=以下同)

 まず思春期は、ホルモンバランスが変化しやすく、月経のたびに歯茎が腫れやすくなる。次に妊娠・出産期は、女性ホルモンが細菌の一種の発育を促進し、出血を起こしやすい状態にする。そして更年期は、ホルモンのバランスが崩れ、歯周組織が変化し、歯周病症状が悪化する恐れがある。

「口臭のもとは主に、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドという3種類の揮発性硫黄化合物です。特に舌苔による硫化水素、歯周病によるメチルメルカプタンが口臭につながっています」

 メチルメルカプタンは硫化水素よりもニオイの閾値が6倍高い。つまり、舌苔でも口臭がひどくなるが、それよりも歯周病を放置している場合の口臭の方が6倍クサいということなのだ。

■歯磨きの回数は関係なし

 自分の口臭は、順応しやすく自覚しづらい。もし、口臭があるかどうかをチェックしたければ、次の方法がいい。

「コップにハァーと息を吐き、手のひらでふたをします。スーハースーハーと呼吸をして新鮮な空気を鼻腔に取り込んでから、コップの中のニオイをかぐ。これで、口臭を確認できます」

 もし口臭があれば、呼吸器系や消化器系の病気の可能性もあるものの、9割以上は口の中に問題がある。

 舌苔は舌ブラシなどでこすり落とす。歯周病や虫歯があればその治療は必須。歯ブラシ、フロス、歯間ブラシなどを利用してセルフケアをしっかりするのに加え、約3カ月ごとに歯科医院に通ってプロのケアを受けることも重要。

「セルフコントロールのみで歯肉の健康を維持できるか調べた海外の研究では、9割が維持できず悪化するという結果でした。3カ月ごとにプロの指導と再治療を受けていた人でさえ、1割が維持できないという結果だったのです」

 歯磨きを何度もしているから口臭は心配なし――と考えている人もいるかもしれない。しかし、先に紹介した実態調査では、歯磨き回数の多い人ほど口臭測定平均値は高いという結果。

「その理由についてはきちんと調査できていませんが、考えられるのは、磨いているという意識はあるけど、実際はきちんと磨けていないということ。試験管の研究で24時間後に細菌が歯垢を作り出すというデータがあります。きちんと磨けば、1日1回でも効果があります」

 セルフケア、プロケアの両輪で口臭対策をしよう。

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