更年期を知って夫婦円満

年を重ねてもセックスを楽しみたい…潤滑ゼリーが役立つ

写真はイメージ
写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 女性の肌のハリやみずみずしさを保っているのは女性ホルモンであるエストロゲン。更年期以降、エストロゲンの減少が始まると、肌が乾燥するのは自然なことです。

 妻が40代半ば以降からセックスを嫌がるようになった……。もしそう感じているなら、理由は膣内の乾燥による性交痛にあるのかもしれません。エストロゲンの減少で、性的に興奮すると出てくる分泌液が減り、膣内部も乾燥傾向になるのです。程度の差はあれ、更年期以降の女性なら、だれでも起こりうる症状のひとつです。

 いつまでも夫婦でセックスを楽しみたい。そういう場合には、膣に潤いを足す「潤滑ゼリー」という選択肢があることを、ぜひ知っていただきたいと思います。年だからとセックスをあきらめる必要はありません。 

 潤滑ゼリーは、日本ではドラッグストアやネットで購入できます。ただし、粘り気が強く糸を引くようなアダルトローションは、使用すると膣の水分を吸収し、かえって乾燥を進行させるので要注意です。

 膣内の潤いを足したければ「潤滑ゼリー」、または「潤滑xx」、海外製なら「Personal Lubricants」と書かれているものを購入しましょう。潤滑ゼリーを使用してもつらい、あるいは出血を伴う場合は、婦人科の受診をお勧めします。

 年を重ねれば、体の変化は妻・夫ともにお互いさま。私は数年前、ドイツのアダルトグッズを取り扱う店を視察したことがあります。その店は、道路に面したおしゃれなランジェリーショップのような店構え。買い物中の年配のご夫婦がちらほらいたのが印象的でした。潤滑ゼリーが多く販売されていたので、年配のご夫婦が性生活を続けるために、潤滑ゼリーを取り入れるなど、年齢に応じた工夫をされているのではないでしょうか。

 体の変化に合わせて、それこそ挿入だけを目的としない、お互いが満足できるセックスの仕方を夫婦2人で考えていければいいと思います。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

関連記事