生活習慣病リスク上げる“お腹ポッコリ型”肥満にはイワシ缶

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 テレビ番組でさまざまな健康効果が報じられたことから、人気に火がついたサバ缶。一時は「いつスーパーに行っても、サバ缶が売り切れ」という状態になったこともあった。さらには最近、同じ青背の魚のイワシ缶も人気が出ている。

「サバ缶もイワシ缶も不飽和脂肪酸のDHA、EPAが豊富です。脳の働きをよくしたり、学習能力を上げたりするのに役立ちますし、最近はダイエット効果も注目されています」

 こう話すのは、体に良いレシピの開発・提供を行う管理栄養士の柴田真希さん。文科省の「日本食品標準成分表2015年版」では、サバ缶、イワシ缶ともエネルギー量に差がないので、どちらでもダイエット効果が得られるわけだが、より自分にあったものを選ぶにはどちらがよいか?

「皮下脂肪型肥満の方にはサバ缶、内臓脂肪型肥満の方にはイワシ缶がお勧めです」(柴田さん)

 皮下脂肪型肥満とは、お尻や太ももなどに肉がついた、若い女性によく見られる肥満。洋ナシ型肥満とも呼ばれる。一方、内臓脂肪型肥満はお腹に肉がついた肥満で、中高年に多く、リンゴ型肥満とも呼ばれる。ちなみに、生活習慣病のリスクが高いと言われるのは、後者の内臓脂肪型肥満だ。

「サバ缶には糖質の代謝を促しエネルギーに変えるビタミンB1、タンパク質の代謝を促すビタミンB6がイワシ缶より多いのです。だから、比較的体全体の代謝を上げるのにいい。一方で、イワシ缶はサバ缶よりもEPAが多い。EPAは体の中でプロスタグランジンという物質に変化し、血液を固まらせにくくして、中性脂肪を下げるので、内臓脂肪型肥満にはイワシ缶がいいのです」(柴田さん)

 缶詰は、汁ごとつかうのがポイント。水煮缶などの「水」にDHA、EPAが溶け込んでいるからだ。柴田さんもラタトゥイユやカレー、パスタソースなどによく活用しているという。

「ほぐすとお肉代わりになるので、料理全体のカロリーを減らすことができダイエットにもおすすめです。」(柴田さん)

 お試しあれ。

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