妻に拒まれる…それは夫の「ジャンクセックス」が原因だ

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 日刊ゲンダイの連載「更年期知って夫婦円満」(月曜掲載)でセックスの悩みを取り上げると非常に反響が高い。男性の想像以上に、セックスに悩む女性が多い印象だ。「夫のHがイヤだった。」を上梓したMioさんも長年、セックスの悩みを抱えてきた。自身の経験をブログにつづったところ、2カ月でアメブロ・メンタルヘルス部門で1位となった。離婚専門の行政書士としても活躍するMioさんに話を聞いた。

「男女でセックスに求めていることは違います。女性は時間をかけた全身の愛撫で心身共にリラックスし、快感を覚えます。一方、男性は激しく動くことが気持ちいいと感じている方が多いようです。そのような状況で、女性が『優しくしてほしい』などと言っても、伝わらないでしょう。男性は勃起、挿入、射精が自己肯定感につながっているところもある。自分がいいと思っているやり方を女性に否定されると、自己も否定されたように感じるのでは……」

 Mioさんは、大学時代に知り合った男性と22歳で結婚。元夫とのセックスは、最初から性交痛がひどかった。ローションを試しても改善されない。病院を受診しても原因は分からず、「体位で工夫して」と言われるのみだった。

 元夫のセックスは、胸を強く掴み、前戯はほぼなく、すぐ挿入。長く挿入できるほど男らしい、と思ってもいた。いずれもAVから得た知識で、Mioさんが苦痛に歪んだ表情をしても、「イッている」と捉えた。

「私もセックスに対する正しい知識がなかった。性交痛は私の体に問題があると思い、夫を愛しているのにセックスを嫌だと思うのは私が悪いと考えていました」

 セックスが嫌、でも応じなくては……という日々を送るうち、摂食障害とうつ病を発症。しかしMioさんはある男性との出会いから、「セックスで気持ち良くなるには、正しい知識と技術が必要」と気付いたという。夫とのセックスで性交痛があるのは、心身がリラックスできていないうちに強引に挿入され、激しくピストン運動されることが原因だと知った。実際、“正しい知識と技術”を持つ男性とのセックスでは、これまで想像もしなかった至上の快感を得ることができた。

■やがて離婚に至るケースは珍しくない

 Mioさんは結婚15年目で元夫と離婚。その後、離婚に特化した行政書士として独立。さまざまなカップルの相談に乗るうち、セックスが離婚原因の根底にあるカップルがいかに多いか、痛感するようになった。

「最初はだれもセックスのことは口にしません。しかし、やがて『実は』と涙を流し、話し始める女性が珍しくないんです」

 性格の不一致や金銭感覚の違い、嫁姑問題など表面化している離婚原因をさらに突き詰めていくと、「夫とのセックスが痛くてつらい。断ると不機嫌になるので応じるしかない」という話が出てくるという。

 冒頭で触れたように、セックスの問題は正面切って話し合っても、解決するのが難しい。

 男性のプライドを刺激してしまうと、話がよりこじれてしまうケースもある。

「男性は、女性から言われるよりも、社会の風潮に影響される傾向があります。だから私は、『ジャンクセックスはかっこ悪い』と社会に広めていきたいのです」

 ジャンクセックスとは、女性の体や触れ方についての知識がないセックス、女性の心を無視した、排泄行為のようなセックスのこと。

「男性が悪い、ということではないのです。知識や技術がなかったことが問題。それを見直すきっかけになるといい」

「妻やパートナーがさせてくれない」と思っている男性こそ耳を傾けるべき言葉だ。

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