一年を通して水揚げされるホタルイカですが、旬は春! 市場の春の風物詩として有名で、スーパーでもよく見かけます。調理しやすく、沖漬けや、ボイルの酢味噌和えなどを思い浮かべる方も多いはずです。
ホタルイカに含まれる豊富な栄養の中でも一番注目したいのが「タウリン」です。市販の栄養ドリンクでも配合されているものが多く、お世話になっているという方も大勢おられるでしょう。
タウリンとは、胆汁の主成分で外から摂取して補うと胆汁酸の働きが活発になり、肝臓の働きを支える効果が生まれます。肝臓が活発に働くと、体の疲労感が緩和されるので、疲れやすい方にもおすすめです。お酒の飲みすぎ、運動不足や無理なダイエットなどが原因の脂肪肝を正常なものへと戻そうとする働きも報告されています。
その他にも血液中のコレステロールや中性脂肪を減らしてくれたり、高血圧の予防、糖尿病の予防、視力の衰えを防ぎ、新生児の脳や網膜の発育を助ける作用も持ち得ています。
タウリンは、イカやタコ、貝類、甲殻類および魚類(心臓・脾臓〈ひぞう〉・血合い肉)にも含まれていますが、特にイカの肝に多く含まれています。そのため、肝まで丸ごと食べられるホタルイカはまさにタウリンの宝庫です。
この、タウリン豊富なホタルイカを摂取する時間帯は目的によって変えていくとよいでしょう。「今日一日頑張るぞ!」というときは朝食に、「疲れた体を休ませたい」というときには夕食に取るといいでしょう。お酒のおつまみとして一緒に取るのもアルコールの分解を助けてくれるのでおすすめです。
タウリンは水に溶けやすいので、汁ごと取れる鍋物やスープなどに利用するのもひとつです。トマト味、コンソメ味、味噌味、醤油味。どんなものにも合いますよ。さまざまな調理法で疲れた体を元気にしていきましょう。
時間栄養学と旬の食材