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使わないとどんどん衰える…下半身の筋肉量の減少に要注意

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写真はイメージ(C)PIXTA

 駅での乗り換え、駅から地上に出ようとするとき、あるいはビル内でのちょっとした移動などの際、階段ではなくエスカレーターやエレベーターを使う機会が増えてはいないだろうか。これは下半身の筋肉が衰えている証拠といえなくもない。

 筋肉にはさまざまな役割がある。体を正常に動かす、体への衝撃の吸収、血管・臓器の保護、熱をつくる、代謝を上げる、免疫力のアップ、ホルモンの産生、水分の保持、血液をスムーズに循環させるなど。

 そう考えると、筋肉の衰えは老化そのものといっていい。特にふくらはぎの筋肉は、「第2の心臓」と呼ばれるほど重要で、心臓から離れたところからスムーズに血液を押し戻す役割を担っている。

 じつは人間の筋肉の70%は下半身に存在する。そして、この筋肉量は使わなければどんどん減少する。日本老年医学会の研究データによれば、20歳時と比較すると、80歳時で男性は約17%、女性は約11%減少。特に下半身の筋肉は、ともに約30%減少するという。さらに下半身の筋肉の衰えは上半身に比べて3倍速いという説もある。

 アスリートでも足の負傷による下半身の筋肉の減少は重大で、筋肉量の回復に負傷期間中の数倍もの時間を要したという話はよく耳にする。高齢者が下半身の筋肉の衰えから転倒、骨折して寝たきりになり、あっという間に死を迎えるというケースは少なくない。

 運動の機会が限られる昨今、そうならないために有効なのがスクワット。尻(大臀筋)と太ももの前側(大腿四頭筋)、太ももの裏(ハムストリング)、ふくらはぎ(ひふく筋・ヒラメ筋)、背中(脊柱起立筋)など下半身の筋肉の減少防止にはもってこいだ。

 手始めに30回のスクワットを1日3セット。今日からチャレンジしてみてはいかが。

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