セックスが痛い

男性も女性も若者も高齢者もソロセックスは自由に楽しめる

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写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ソロセックスってご存じでしょうか。以前はマスターベーションや自慰行為などと呼ばれていたもので、最近、海外の保健指導でも、この言葉を使用しているのを目にします。

 マスターベーションというと、なんだか悪いことのように感じたり、男性だけがするものというイメージがあります。しかし、セックスは2人でするし、男も女もしていてもおかしくない。イメージに縛られていただけのように感じます。

 国内外の性科学に関する学会で活躍する産婦人科医の早乙女智子先生は、ユーチューブで「乙女チャンネル性科学の小部屋」を開設。誰もが楽しめる性に関する必要な情報を発信しています。先日はソロセックスについて、「自分の体を喜ばせるのに、自分でやって何が悪いの?」と疑問を投げかけていました。

 中高年になると、女性ホルモン減少による潤い不足だけでセックスの痛みが生じるのではありません。婦人科系の手術や病気の後遺症で痛みを感じる人もいます。腰痛や持病で自由な姿勢が取れない場合は、男女問わず、セックスに苦痛を伴うことがあります。

 性交痛=性欲がないと誤解されがちですが、痛いから性欲が落ちる人が多いだけで、痛くなければ普通に性欲がある人はいます。最近のラブグッズは、以前のコラムで紹介した通り、挿入しなくても十分に楽しいものが豊富にあります。痛くないソロセックスは可能なのです。

 早乙女医師はソロセックスについて、「これからセックスデビューしようという若者、閉経後やパートナーが今はいないという方など、いろんな方が自分の性的な欲求を満たせる。70代、80代、90代でも年齢、性別の垣根なし!」と言います。「セックスが痛くてできない」「妻が痛がって寂しい」と1人で悩まず、パートナーとセックスをするという固定観念を捨て、性的な欲求を自分で満たすことを始めてはいかがでしょうか。

小林ひろみ

小林ひろみ

メノポーズカウンセラー。NPO法人更年期と加齢のヘルスケア会員。潤滑ゼリーの輸入販売会社経営の傍ら、更年期に多い性交痛などの相談に乗る。

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