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夏休み 熱中症が心配な子供に外出先でマスクは必要か?

小児科医の細田和孝氏
小児科医の細田和孝氏(You Tubeから)

 新型コロナウイルス対策と熱中症――。外で遊ぶ子供がマスクを嫌がっている。中国では、体育の授業中にマスクをした生徒が相次いで亡くなる事故も起きている。部活も始まったが、どうすればいいのか。

 とくに小学生くらいまでの子供は熱さに弱いです。大人と違い、体温の調節機能が整っていないため、その時々の環境の温度に左右されやすい。

 大人は体温を下げるために汗をかくのですが、子供は体温を下げる機能も未熟ですから、遊びに夢中になっていると体調の変化に気づかないのです。マスクをすると口元に熱がこもりやすく熱中症の原因になります。

 屋外では基本的にマスクを外していても構いません。

 熱中症予防には水分補給が必要ですが、水分は喉が渇いてから取るのでは遅いです。お子さんには、喉の渇きとは関係なく、日ごろから時間を決めたりして、水分を取る習慣をつくって、飲ませることが大事です。目安としては、1日1リットル。少なくとも、学校に500ミリリットル1本のペットボトルを持たせて、下校までに飲み干すくらいがいいでしょう。

 種類は、水道水でも、麦茶でも熱中症予防は可能です。部活など運動のために外出するときは、スポーツドリンクや経口イオン水で塩分の補給をすることは効果的ですが、ただそれだけにする必要はありません。糖分を取りすぎることでかえって、水分を吸収しにくくすることがあります。麦茶も持たせるなど併用させるのをお勧めします。

 また、暑さで具合が悪そうなときは、保冷剤などで首筋、わきの下、股(そけい部)を冷やします。太い血管が通っている部分だからです。この3カ所を冷却すると全身の冷却スピードが速いといわれています。

▽ほそだ・かずたか 1999年、新潟大学医学部卒。国立循環器病センター小児科、山形県鶴岡市荘内病院などを経て2008年から「ナビタスクリニック立川」(エキュート立川内)勤務。小児内科、小児循環器病が専門。さまざまな医療現場で活躍するスーパードクターたちが出演の公式YouTubeチャンネル「SuperDoctors―名医のいる相談室―」では、「マスク着用も影響?子どもの熱中症の応急措置と予防法」について解説しています。

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