毎日大さじ1杯!腸活みそ料理

マッシュルームのバルサミコ酢みそ炒めで免疫力をアップ

マッシュルームのバルサミコ酢みそ炒め
マッシュルームのバルサミコ酢みそ炒め(提供写真)

 私は医者として10年以上、薬ではなく、食べ物や食べ方で病気を予防したり、治したりする栄養療法を専門としてきました。そんな私が、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の患者さんから尋ねられるのは、「毎日、何を食べたら良いのですか?」ということです。患者さん自身も薬だけではなく、自分でできることで健康を手に入れたいと願っているのです。

 そこで、ふだん私自身が実践している、野菜やみそ汁から先に食べる血糖コントロール法、みそを普段の塩の代わりに使い、発酵食品を取り入れることなどを勧めるようになりました。

 実際にそれを実践した方と、そうでない方は1カ月後の採血ではっきりと差が出ます。それほどまでに日々食べているものがダイレクトに健康に影響しているのです。また、拙書を読んでくださった方からの大きな反響もありました。

 食習慣や病気に対する考え方が大きく変わり、肌や便秘で長年悩んでいた方が、みそをはじめとする発酵食品を積極的に取り入れることにより、これまで抗生物質を処方してもらわないと治癒しなかった肌荒れが改善してきたというエピソードを教えていただきました。改めて、腸活が健康な体づくりに欠かせないかを実感するきっかけになったようです。

 また、私自身もインドの伝統医学アーユルヴェーダや副腎疲労症候群について学ぶ中で、腸内環境が健康の土台、基礎であることを改めて実感するようになりました。アーユルヴェーダでは、病気は消化力が落ち、代謝しきれなかったものがたまることから始まるとされています。この考え方は現代人の抱える多くの病気に当てはまります。

 現代はストレス社会で、さらに昔ほど食物繊維を摂取しなくなったことで、腸内環境が乱れやすくなっています。腸内環境が乱れると、腸のバリアー機能が落ちるだけではなく、栄養素を正しく消化吸収できなくなります。花粉症や喘息、アトピー性皮膚炎、じんましんなど慢性的な症状がある方の多くが便秘や下痢、お腹の張りなどお腹のトラブルも抱えています。腸の慢性的な炎症は全身の炎症とつながっているためです。

 それを改善するために極めて有効なのがみそです。みそは塩よりもうま味成分が多く、減塩につながるだけでなく、細胞の修復に必要なタンパク質、ビタミン、ミネラルも同時に摂取することができます。さらに麹菌や乳酸菌が腸内の善玉菌の働きを助け、腸内環境を改善してくれるのです。

 しかも、発酵という過程で産生されるメラノイジンという抗酸化物質が体の老化を防いでくれます。ぜひ読者のみなさんも、いつも使っている塩をみそに変換してみてください。料理が苦手な方でも、思った以上に簡単においしい料理が作れて驚かれるはずです!

 今回の腸活みそ料理は「マッシュルームのバルサミコ酢みそ炒め」です。マッシュルームなどのキノコに含まれる食物繊維量は多くの食材の中でもトップクラスです。また多糖類であるβグルカンも豊富に含まれており、免疫力を高めてウイルスに対する抵抗力を強化する効果も期待できます。

【材料】(2人分)
マッシュルーム 7個(マッシュルーム以外のキノコでも可)
玉ネギ 小2分の1
オリーブオイル 大さじ1
ニンニク 1片
バルサミコ酢 大さじ1
みそ 小さじ1
大葉、もしくはパセリ少々

【作り方】
(1)フライパンにオリーブオイルをひき、みじん切りした玉ネギ、ニンニクを入れ炒めます。
(2)①に4等分したマッシュルームを入れ炒めます。
(3)②にバルサミコ酢とみそを入れ、焦げないように軽く炒めます。
(4)③を皿に盛り付け、お好みで、刻んだ大葉、もしくはパセリをトッピングして出来上がり。

関由佳

関由佳

専門は内科、予防医学。2013年ニューヨークの料理専門学校(Natural Gourmet Institute)で資格取得。著書に「毎日食べたい!腸活みそレシピ」ほか

関連記事