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不眠症で病院にかかるべきサインは?

藤野智哉医師
藤野智哉医師(提供写真)

 新型コロナウイルスへの不安に加え、猛暑で蒸し暑くて眠れない――。不眠症に悩む方は少なくありません。不眠症の場合、ストレスや生活習慣の乱れが大きな原因になりますが、まずはなぜ不安なのか整理することが大事です。

 簡単なのは、「ウイルスが入ってきたら不安だ」など書き出してみることで、冷静になったり、落ち着いたりします。身近な人が過剰に不安を抱えていたら、聞いてあげてください。悩みを共有し、解決方法を考えるだけでも改善することがあります。

 気軽にできるのは、3食決まった時間にきっちり食べる。寝る前3時間は物を食べず、寝る4時間前からはカフェインを取らない。お茶やコーヒーをホットミルクやハーブティーに替えてみる。基本的なことですが、見直してみましょう。

 在宅勤務の人は、昼寝をすることもあるかもしれません。その場合、15時前の20~30分に抑えてください。夜の睡眠に影響が出ない範囲とされています。

 ベルガモットの香りはリラックス効果がありますから、興味がある方はお湯を張ったコップにアロマオイルを1、2滴注ぎ、寝る前に香ってください。オレンジの皮を置いておくのもいいですし、夕食にパセリを添えるのも睡眠に効果的といわれます。

 無理に早く布団に入る必要もありません。ゴロゴロして眠れない時間が長いとだんだん布団が寝る場所ではなくなってきます。それよりは眠れなくても、早く決まった時間に必ず起きることを意識してください。

 一般的な不眠だけならすぐに病院に行く必要はありません。ただ足がムズムズしてきて眠れないなどの症状が出てきたら、他の病気にかかっている可能性があります。早めに病院にかかることをお勧めします。

▽藤野智哉(ふじの・ともや)1991年愛知県生まれ。16年秋田大医学部卒業後、一宮西病院研修医、愛知医科大精神医学講座所属、19年上林記念病院を経て、今年は再び愛知医科大勤務、医療刑務所医師兼任。スーパードクターたちが出演の公式YouTubeチャンネル「SuperDoctors -名医のいる相談室-」では、「不眠症」について解説しています。

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