新型コロナウイルスの感染拡大が一向に収まりません。コロナウイルスには新型コロナウイルス以外にも複数種類あるのはご存じでしょうか?
コロナウイルスは、風邪から致死的な肺炎までさまざまな重症度の呼吸器疾患を引き起こす一群のウイルスです。人間に感染し病原となるものは7種類で、そのうち3種類が重症化したり致命傷になる肺炎を引き起こす可能性があるものです。
2003年ごろに発見され流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)、2012年に発見され流行した中東呼吸器症候群(MERS)と、2019年に特定された新型コロナウイルス感染症(COVID―19)がその3種類です。
これらは、動物からヒトへと感染(人獣感染)する病原体です。新型コロナウイルスの感染者数は世界で2000万人以上。日本国内でも5万人以上が感染し、約1000人が死亡しています。SARSの感染者数は世界で8000人程度、MERSの感染者は世界で約2200人ですので、新型コロナウイルスの感染者数がいかに多いかがわかります。
終息にはSARSで2~3年、MERSで6年程度かかっていることから、これらの事例を基に推察すると、新型コロナウイルスの終息にはそれ以上かかるか、もしくは“ウィズコロナ”を考えるしかないかもしれません。
ウィズコロナの世界では、治療に加えて、予防と感染拡大防止が大切になってきます。治療薬で患者数を減らし、ワクチンや物理的対策で予防し、新規感染者を少なくして感染者数を最小限に抑えることが重要です。
そのためには、賛否両論あるものの、世界中で開発が進んでいるワクチンの完成と普及に期待したいところです。次回はワクチンについて解説します。
今こそ知っておきたい抗ウイルス薬